またも政府高官が暴言! 日本政府自らが日韓合意を破綻させた

 駐アトランタ総領事が日本軍「慰安婦」問題に関して暴言を吐きました。

 総領事は「売春婦だから性奴隷ではない」と主張していますが、「売春婦だからこそ性奴隷」というのが国際社会の共通認識であり、日本軍「慰安婦」問題は国家がその制度を作ったということで大きな批判を浴びているのです。

 このような無知で人権意識のない発言が日本政府の「代表」から発せられるのは、本当に恥ずべきことです。全く許すことができません。

 これまでも日本政府は国連の場でも「強制連行はなかった」「性奴隷ではない」と繰り返してきました。そのたびに欧米各国から失笑を買い、世界中の女性から怒りを買ってきたのです。

 ぜひ全国行動の声明をよんで、怒りを共有してください。そして日本政府に抗議の声を!




またも政府高官が暴言! 日本政府自らが日韓合意を破綻させた

 

 626日(現地時間)、  米ジョージア州アトランタ駐在の篠塚隆総領事は地域メディアのインタビューに対し、「日本軍が第2次世界大戦期間に韓国からきた女性を性奴隷としていたという証拠はない」とし「その女性は報酬をもらっていた売春婦だった」と語った。

 これは、日韓合意後も「官憲による強制連行を示す記述はない」「性奴隷ではない」「戦争犯罪を認めたわけではない」等と公言して、日本軍「慰安婦」問題に対する従前の認識を何ら変えることなく、10億円で「解決」を買おうとしてきた安倍政権の姿勢をそのまま投影した発言だ。このような姿勢こそが被害国の反発を買い、ますます解決を遠ざけていることを日本政府は認識しなければならない。

日本軍「慰安婦」制度が性奴隷制度であったことは、国際社会が認める事実だ。また、日本軍の「慰安婦」にされた女性が「報酬をもらっていた」としても、また公娼制度の下で「売春」をしていた女性であったとしても、日本軍が立案・設置、管理・統制した「慰安所」で、日本の侵略戦争遂行の道具として人権を徹底的に侵害されたことは紛れもない事実だ。さらに、人としての自由と自律性を剥奪され奴隷状態におかれていたことも、国際条約に照らして明言できる事実である。そしてこれらの事実こそが、日本軍「慰安婦」問題の本質なのだ。つまり、「報酬をもらっていた」云々は何らの弁明にもならない上に、国際世論の嘲笑と批判を浴びる結果しかもたらさないのである。

政治家や政府高官らが的外れな論点を持ち出して、「慰安婦」問題の本質を誤導しようとすればするほど、問題解決は遠のくことを今一度強調しておく。

 

篠塚領事はまた、630日にジョージア州の小都市ブルックヘブン市立公園で除幕予定の「平和の少女像」について、「少女像は単なる芸術作品ではない」とし「それは憎しみの象徴であり、日本に対する怒りの象徴物だ」と述べた。この認識も完全に誤りだ。

水曜デモ1000回を機にソウルの日本大使館前に立てられた「平和の碑」(最初の少女像)は、その場所で「慰安婦」問題の解決を求めながら、「二度と自分たちのような被害者を生んではいけない」と平和を訴える運動家に変身していった日本軍「慰安婦」サバイバーたちの20年に及ぶ闘いを称えるために建てられたものだ。日本政府がその意味を歪曲し、日韓合意の中に「適切な解決」を盛り込んだことが、アメリカ等への拡大の動因になっていることを政府はまず認識し、加害国政府として被害者を追悼する姿勢を率先して示すことを求める。

 米ブルックヘブン市公園の「平和の少女像」設置をめぐっては、本年2月頃から篠塚総領事による執拗な嫌がらせと議会ロビーが続けられ、日系の子どもがいじめられるといったデマまで流されていた。これが一国の公人たるべき領事が取るべき行動だろうか。日本政府はこれ以上、このような愚を犯してはならない。

 

この他にも、「一握りの悪巧みをする連中は撲滅をしていくように。韓国の中にも一握りだけでもいるかも知れないが、見つけたら撲滅して」「日本はお金を支払った。再交渉しようというような愚かな話をすることは国際的には通用しない」等と述べて韓国民の反発をかった自民党の二階俊博幹事長の発言(69日、10日)等、直近でも政治家や政府高官の暴言は続いている。

昨年2月、国連女性差別撤廃委員会は日本政府報告審査の総括所見で、「『慰安婦』に対して行われた侵害に対する締約国の責任に関して、近年、公的な職にある者や指導的立場にある者による発言が増えていること」に遺憾を表明し、「こうした発言は 被害者に再びトラウマを与える」として「指導者や公職者が責任を薄めるような発言を止めることを確保すること」を、日本政府に勧告した。

日本政府は、「日韓合意は被害者中心アプローチを十分に採用していない」として発せられたこの勧告に従い、誤った歴史認識に基づく公人の発言を禁止し、これに明確で公式な反駁をおこなうよう強く求める。

 

2017628

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動

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日本政府の「慰安婦」問題に関する答弁書についての声明

 安倍政権は6月27日、強制連行や日本軍「慰安婦」が性奴隷であった事例を示す文書の存在を認める閣議決定をしました。
 これまで安倍政権は国際舞台でも「強制連行はなかった」「性奴隷ではない」と国連などでも主張し、第一次安倍政権時には「強制連行を示す文書はない」と閣議決定しています。
 今回の閣議決定は、実質的にそれを覆すものです。

 下記声明に抜き書きした記述をみてください。これは強制連行ではありませんか? 性奴隷ではありませんか?

 答弁書では「意味するところが必ずしも明らかではない」などと逃げを打つような記述も散見されます。この期に及んで、「これは強制連行や性奴隷ではない」などと主張するつもりなのでしょうか?


 みなさん、安倍政権を追及しましょう!
 安倍政権は日本軍「慰安婦」被害者の中には強制連行の被害者もいたと認めろ!
 日本軍「慰安婦」制度は性奴隷制度であったと認めろ!



日本政府の「慰安婦」問題に関する答弁書についての声明

 日本政府は、紙智子参議院議員が本年6月16日に提出した「国立公文書館から内閣官房副長官補室が本年入手した「慰安婦」関係文書に関する質問主意書」に対する答弁書を27日に閣議決定した。
 この閣議決定は、これまでの日本軍「慰安婦」問題に強制はなかったとする政府の見解を大きく見直すものであり、「慰安婦」問題の解決にとって重要な政府見解として注目される。

 答弁書では、まず初めに、新たに発見した日本軍「慰安婦」資料として、いわゆる東京裁判およびアジア各地で行われたBC級戦争犯罪裁判の関係文書182点を本年2月3日に政府が入手したことを認めた。
 次に、この答弁書は、これまで日本政府が存在を認めていなかった軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述が存在していることを初めて認めたものである。
 さらに、日本軍の「慰安婦」制度が「人道及び国際条約の侵反行為」であり、「戦争の法規慣習に対する違反行為」であると裁判で認定され、「強制売淫の為の婦女子の連行、売淫の強制、強姦なる戦犯行為」として判決され、記述されていることを閣議決定で認めたものである。そして、この裁判はサンフランシスコ平和条約で日本が受諾しているものである。

 この裁判の記録には、例えは下記のような記述がある。

1. ポンチャナック第13号事件起訴状:「本被告は〇〇に対しカタバンの少女・婦人等をポンチャナックに連れて来り慰安所に入所せしむべく命じたり。其の命により二十名の少女・婦人等は自己の意思に基かずして(中略)慰安所に入所せしめたる上強制的に淫売婦たらしめたり」。

2. バタビア第106号事件の〇〇中将に対する判決文:「次の部下が下記の刑に処せられていることを考慮し、即ち、a 強制売春の為の婦女子のら致、売春強制及び強姦罪で死刑 b 強制売春の為の婦女子のら致、売春強制罪で懲役十年(後略)」。

3. バタビア裁判・第69号事件の記録にある記述:「既に第一日目である日曜日の午前中に十八名~二十名の客がとられ、その上夜間にも仕事があった。月曜日の朝には既に数名の娘は起き上れず、歩けもしなかった。B姉妹は逃げ出して終った。然し、彼女達は火曜日の朝には警察の手に依って捕った。送り帰され」。

 これらの記述は、日本軍「慰安婦」制度の実態が、強制的なものであり、日本軍が制度化した人権侵害制度のもとで女性たちの名誉と尊厳を深く傷つけたものであることを物語っている。まさに、それは性奴隷制であったことを示すものである。今回、このような記述の存在を政府が閣議で認めた意義は大きい。

 日本政府が入手した資料は、インドネシア、東チモール、ベトナム、中国などでの日本軍「慰安婦」問題に関するものであり、そこには、その国の人々と、オランダ人、フランス人、アメリカ人などへの性暴力、人権侵害が記録されている。
 日本軍「慰安婦」問題は、日本と韓国とに限定された問題ではない。アジア・太平洋戦争で日本が侵略した全地域での問題であり、70数年を経過してもその被害者が日本政府に名誉回復を求めている問題である。
 問題解決には、日本政府がそれらの人々に加害事実を認め、謝罪し賠償することが必要であり、この度の「答弁書」はそのための事実認定を一歩前進させたものと考えられる。
 私たちは、日本政府がこの度の文書入手を機会に、日本軍「慰安婦」制度が国際法、国内法に違反する重大な人権侵害であったことを認め、一日も早く日本軍「慰安婦」問題の解決に取り組むよう、ここにあらためて要求する。

 以上

 2017年6月27日

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動

条件付き謝罪は謝罪ではない 日本政府は、日韓合意の破綻を認め、 「慰安婦」被害者と韓国の民意に向き合え

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動 声明

条件付き謝罪は謝罪ではない

日本政府は、日韓合意の破綻を認め、

「慰安婦」被害者と韓国の民意に向き合え

 日本政府は、釜山総領事館前に「平和の少女像(以下、少女像)が設置されたことに対し、駐韓大使および釜山総領事の一時帰国など4項目の対抗措置をとると発表した。同措置およびこれを伝える報道に、私たちは強く抗議 する。

Ⅰ 日本政府に抗議する 

1.韓国では、2015年12月28日の日韓政府間合意(以下、合意)に対する民衆の怒りが爆発し、日本政府に対する不信感がさらに高まった。直近の世論調査でも、「合意を破棄すべき」との回答が6割に迫っている。釜山の少女像も、合意に怒った釜山市民・学生らが合意直後に建立計画を立て、合意1周年の日に設置を挙行したものだ。まさに合意が、韓国民衆との関係改善を図りようもない状況 をつくり出したと言っても過言ではない。

 合意後にさらに高まった怒りの主な要因は、

(1)日本政府が10億円について「賠償ではない」と繰り返し述べたこと、にもかかわらず韓国政府と「和解癒し 財団」が「賠償にあたるもの」等と国民を欺き、被害者たちの説得にも当ってき たこと、

(2)安倍首相がお詫びの手紙について「毛頭考えていない」と一蹴するなど、「お詫びと反省」を合意で謳いながら実は謝罪する気など全くないこと、 

(3)「日本は10億円を拠出したのに、韓国は合意を守っていない」として、日本 政府が事実上、駐韓日本大使館前の「平和の碑」の撤去にのみ執着し、圧力を加えていること。韓国民衆は「韓国政府が10億円で『平和の碑』を売り飛ばした」と怒っている。

韓国民衆を怒らせているのは、女性たちを戦争遂行の道具とする重大な人権侵害をおかしながら、心から謝罪するどころか、「金を出したんだから碑を撤去しろ」と言わんばかりの日本政府の態度なのである。「未来世代に謝罪を繰り返させない」ために口先だけで「お詫びと反省」というフレーズを述べたにすぎないことが、この「少女像」をめぐる態度に象徴的に現れていると見抜かれているのだ。これは、ナチスに虐殺されたユダヤ人犠牲者のための記念碑、記念施設をブランデンブルグ門の南に設置したドイツ政府の姿勢とはあまりにも対照的だ。本来、日本政府が日本国内に記念碑や施設を建てるのが加害国としてあるべき姿勢なのである。

2.今回の事態には、甚だしい論理のすり替えがある。日本政府は、合意に従ってすでに10億円を支払ったのだから、合意で「最終的・不可逆的に解決」したのだから、釜山市民が釜山の領事館前に少女像を設置するのを韓国政府が禁止しないことは合意違反だと言う。しかし、合意ではソウルの日本大使館前の「平和の碑」について「適切に解決されるよう努力する」ということだけで、そもそも「平和の碑」の撤去も約束されてはいない。正式文書もない、両政府が口頭で発表しただけの「最終的・不可逆的解決」合意が、民衆の慰霊・追悼、記憶の行為にまで及ぶかのように世論をミスリードする行為を、政府は直ちにやめなければならない。

3.諸悪の根源は、被害者を抜きにした、「慰安婦」問題の根本的解決ではない、政府間合意自体に存在する。これに気づかない限り、被害者の、また韓国民衆の怒りと不満のマグマはいつまでも噴出し続けるだろう。この度の事態も、日韓合意では日本軍「慰安婦」問題の解決にならないことを再び浮き彫りにした。こうした事態が起きるたびに高圧的に対処することはかえって反発を招き、関係を悪化させる。

第一、今回の少女像設置問題を直ちに政治・経済問題に直結させ、4項目の制裁措置をとるのはあまりに稚拙だ。過去の日本が犯した重大な人権侵害の被害回復、つまり人権問題なのであり、外交・政治・経済問題とは別に協議し考慮すべきだ。日本が加害国としての責任を果たすべく、2012年にアジア連帯会議が提出した「日本政府への提言」に立脚した根本的解決策を実施しなければ、永久に、こうした事件が続くであろう。

また、昨年11月には、謝罪と補償を長年待ち続けているフィリピン、東ティモール、インドネシアの高齢の被害者たちが遠路来日して外務省を訪れ、私たちも同様に被害者であると切々と訴えた。韓国だけではない、アジアの全被害者に対して、被害者が亡くなる前に日本は責任を果たさねばならない。

Ⅱ 報道機関に求める

この件に対する報道は押し並べて、合意により日韓関係が改善に向かっていたという前提に立っている。これは、交渉自体が困難になっていた首脳会談や安全保障等、政府間での協議ルートが再開されたことを主に指していると思われるが、政府間の関係だけが日韓関係なのだろうか。または経済関係だけが日韓関係なのだろうか。

前述のように、釜山の少女像も、合意に怒った釜山市民・学生らが合意1周年の日を期して設置を挙行したものだ。このような韓国市民の怒りを無視して「関係が改善したと報じるメディアは、政府の視点に追随し、民衆の意思を黙殺する非民主的な言説を振りまいていることを認識すべきである。翼賛報道の轍を踏まず、メディアの使命と主体性を自覚し、この問題の本質的な 視点に立った報道をするよう求める。

 2017年1月8日

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動

2・28日韓「合意」は解決ではない! 日本政府は「慰安婦」問題解決に立ちあがれ

<アピール>

12・28日韓「合意」は解決ではない!

日本政府は「慰安婦」問題解決に立ちあがれ

昨年12月28日の日韓政府間「合意」から一年を迎えました。

被害者をおきざりに、「責任の痛感」「お詫びと反省」「軍の関与」というあいまいな事実認定と実体のない言葉を並べて日本軍「慰安婦」問題を「最終的かつ不可逆的に」解決すると表明した日韓「合意」に対し、私たちはあらためて、「合意」は解決ではないことを訴えます。

「合意」発表直後から、韓国では被害者はもちろん市民・学生らによる批判と抗議の声が湧きおこりました。日本では政府とメディアが一体となって、あたかも「慰安婦」問題は「合意」によって終結したかのような見方を拡げました。私たちはこのような動きを許すことができないと、「合意は解決ではない」ことを訴え、全国各地で集会やデモ、講演会などあらゆる行動を展開、日本政府への要請行動も行ってきました。11月には韓国、フィリピン、インドネシア、東チモールの被害者を招いて証言集会や外務省交渉を行い、今もアジアの各国で被害に苦しむ被害者らの存在を伝え、「慰安婦」問題は日韓間だけでは解決できない問題であり、日韓「合意」で解決していないことを訴えました。

韓国政府は2011年の憲法裁判所決定を受けて、「慰安婦」問題は日韓請求権協定で「法的に解決済み」であるか否かについて、日本政府と対立した状況にありました。これを棚上げして「合意」としたことは、国家としての責任を放棄するものです。日本政府が「日韓条約で解決済み」「10億円は賠償金ではない」と繰り返しているにも関わらず、「和解・癒し財団」のもと、「賠償金」であるかのように装いながら被害者に配るというのは、まさに被害者を欺き、愚弄するものです。日本大使館前の「平和の碑(少女像)」の撤去を執拗に求める日本政府の姿勢もまた、「反省」や「お詫び」が口先だけのものだと繰り返し見せつける行為です。このように、「合意」は被害者の尊厳回復措置を行うと言いながら、それどころか、被害者の尊厳を傷つけているのです。

安倍首相は国会で、「合意」は「私たちの子どもや孫、次の世代の子どもたちに謝罪し続ける宿命を負わせるわけにはいかない。その決意を実行に移すための決断」だったと述べました。そして、被害者へのお詫びの手紙の話が出ると即座に、「毛頭考えていない」と答えたことと同様、安倍首相にはこの「合意」で国家の責任を認める気もなければ謝罪の意思もないことが明らかです。今、未來の世代のためになすべきこととは、歴史を隠蔽することではなく、事実を明らかにし、記録し、記憶・継承すること、再び被害を繰りかえさせないことです。

日本政府は第12回アジア連帯会議で各国被害者と支援者によって採択された「日本政府への提言」と、国際人権基準に沿って、加害の事実に向き合い、謝罪と賠償、真相究明と教育などの被害回復、再発防止措置を行うよう、私たちは強く求めます。

2017年、私たちは二国間の談合的「合意」によって翻弄され、踏みにじられたすべての被害者の尊厳回復のために、アジアの被害者や市民と連帯し、ともに闘います。

みなさまがともに声をあげてくださることを心より願うものです。

2016年12月28日

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動

【全国行動声明】被害者を欺き分断する 「和解・癒し財団」に抗議する

全国行動抗議声明

被害者を欺き分断する
「和解・癒し財団」に抗議する




 本日、「12.28日韓政府間合意(以下、「合意」)」に基づく財団が発足した。「和解・癒し財団」と名付けられたこの財団は、「合意」に反対する被害者と市民を置き去りにして、両政府だけが「和解」する奇妙な様相を見せている。



1.財団設立に至る韓国政府と財団関係者のふるまいは、被害者への「癒し」にならない。

 報道によると、韓国政府は「合意」後、被害者と被害者家族に会い、「10億円は事実上の賠償金だ」という説明をして回ったという。これは、「このお金は賠償あるいは償い金、こうしたものではありません」(3月17日参議院外交防衛委員会での岸田外相の答弁)という日本政府の立場とは明らかに異なるものだ。

5月31日、「財団設立準備委員会」発足記者会見で金兌玄委員長が「10億円は賠償金ではない。被害者の傷を癒し名誉を尊重するというレベルで、賠償金と見るのは難しい」と発言したことの方が、日本政府の意図を正確に読み取っていると言えよう。しかし、韓国政府の説明と異なる発言をした金委員長は、2日後には「(日本が)法的責任を認めて、被害者の心の傷を癒し、その癒しを通して結局賠償したという、そういう意味で拠出すると見ればいい」と苦しい弁明に転じた。

まさに、被害者不在のまま政府間での政治決着を急いだ「合意」のほころびが如実に現れた一例だ。

 また、本日の発足式に出席させるため、被害者らに発足式であることは告げずに「昼食をご馳走する」とだけ説明したという報道もある。「具合が悪くて行けない」「記者が来て写真を撮られるのではないか、写真は絶対にダメだ」等と難色を示すと、「来なければお金が出ない」とまで言われたと主張する被害者もいる。政府と財団は否定しているが、同じような内容の情報が複数の被害者から支援団体に寄せられており、事実無根とは考えにくい。まさに、被害者への「癒し」とは全く逆の「強要」のレベルに至っていると言えるのではないか。



2.被害国政府に責任を押しつけ「平和の碑」の撤去にのみこだわる日本政府が、「責任を痛感」していると誰が信じるだろうか。

 何よりも恥ずかしく許しがたいのは、被害国政府に責任を押しつけて高みの見物を決め込む日本政府の姿勢だ。「責任を痛感」し「心からのお詫びと反省の気持ちを表明する」と言うならば、その気持ちに基づいてすべきことは、何に責任を感じ、何を反省しているのかを、国内的にも国際的にも明確に示していくことであるはずだ。つまり、日本軍「慰安婦」問題の歴史的事実を究明し、その事実を人々に知らせ教育し、二度と同じことが繰り返されないように教訓にしていくための取り組みこそが求められているのである。

 ところが日本政府が「合意」後にとってきた姿勢は真逆だ。2月の国連女子差別撤廃委員会では「軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できる資料はなかった」等と発言し、8カ国の市民団体と英国戦争記念館が日本軍「慰安婦」関連記録物をユネスコの記憶遺産に登録申請したことについても「記憶遺産事業が政治利用されることがないよう、制度改革を含め引き続き全力で対応していきたい」(6月2日、菅官房長官)と述べるなど、日本軍「慰安婦」問題を人類の教訓にしようとする国際的な動きに真っ向から対立する姿勢を見せている。

 その一方で、日本政府とメディアが関心を示すのは、ソウルの日本大使館前に設置された「平和の碑」(少女像の正式名称)の移転のみである。繰り返し言うが、「平和の碑」には「1992年1月8日、日本軍「慰安婦」問題解決のための水曜デモが、ここ日本大使館前ではじまった。2011年12月14日、1000回を迎えるにあたり、その崇高な精神と歴史を引き継ぐため、ここに平和の碑を建立する」とだけ書かれており、日本を非難したり侮辱したりする何らの内容も刻まれていない。「慰安婦」被害女性たちの歴史、平和、希望、連帯、解決を待ちわびる思いを込めて設置されたものだ。これを共に守っていくことこそが、「反省」の気持ちが真実であることを世界と歴史に示すことなのである。にもかかわらず、その移転・撤去にのみ執着する姿は、「合意」で語られた「お詫びと反省」が「最終的・不可逆的解決」なる「慰安婦」問題の抹消をめざす方便にすぎないことを、あまりにも如実に語っている。



3.日韓両政府は、全ての被害者が受け入れられる解決策を示せ

 本日発足した「和解・癒し財団」は、その名に反して、被害者を分断し新たな不和をもたらしている。「合意」に明確に反対を表明する韓国の被害者たちの意思は無視され、フィリピン、台湾、中国、インドネシア、東ティモール、朝鮮民主主義人民共和国、オランダ等の被害者らは、そもそも「合意」から完全に排除されているからだ。

 全ての不協和音は、「責任」を口にしながら「責任」を回避する日本政府の無責任な姿勢から生じている。そして、今や韓国政府が前言を翻し、日本政府による歴史の否定、つまりさらなる人権侵害を等閑視してでも「合意」を推進する態度は見るに堪えない。

 日韓両政府は、被害者間に分断をもたらす「和解・癒し財団」を推進するのではなく、全ての被害者が受け入れられる国際人権基準に基づいた被害回復の途を示さなければならない。このまま「合意」による「最終的・不可逆的解決」を強引に推し進めれば、「和解」どころか、歴史に取り返しのつかない禍根を残すことになる。日韓両政府は、全ての被害者の声に耳を傾けなければならない。



2016年7月28日

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動


【日本軍「慰安婦」問題解決全国行動 声明】 被害者不在の「妥結」は「解決」ではない

声明
被害者不在の「妥結」は「解決」ではない

 12月28日、日韓外相は日本軍「慰安婦」問題について会談し、共同記者会見を開いた。その内容についての評価は、本来、被害者がどう受け止めたかによって判断されるべきであるが、私たちは昨年来、政府に、各国の被害者と支援者が集まった「アジア連帯会議」で協議・合意した、解決のための「日本政府への提言」を提案し、日本軍「慰安婦」問題解決のために取り組んできた団体として、日韓外相会談の結果について以下のようにコメントする。

1, 今回の協議は終始一貫、被害者不在で進められた。それが本日の結果に如実に表れており、「最終的な解決」にするには、被害者にとってあまりにも課題の多いものとなった。とりわけ安全保障政策を重視する米国の圧力のもとで日韓政府が政治的に妥結し、最終的合意としてしまったことは、50年前の日韓基本条約の制定過程を彷彿させ、東アジアが現在もなお、米国の支配下にあることを痛感させられるできごとだった。

2, 日本政府は本日、ようやく国家の責任を認めた。安倍政権がこれを認めたことは、四半世紀もの間、屈することなくたたかって来た日本軍「慰安婦」被害者と市民運動が勝ち取った成果である。しかし、責任を認めるには、どのような事実を認定しているのかが重要であり、それは即ち「提言に示した①軍が『慰安所』制度を立案、設置、管理、統制した主体であること、②女性たちが意に反して「慰安婦」にされ、慰安所で強制的な状況におかれた事、③当時の国際法・国内法に違反した重大な人権侵害であったことを認めなければならないということだ。「軍の関与」を認めるにとどまった今回の発表では被害者を納得させることはできないであろう。

3, 韓国外相は「平和の碑」(少女像)について、「適切に解決されるよう努力する」と述べた。日本政府が、被害者の気持ちを逆なでする要求を韓国政府に突き付けた結果である。このような勝手な「合意」は、被害者を再び冒涜するものに他ならない。

4,さらに、教育や記憶の継承の措置についてはまったく触れず、国際社会において互いに批判・非難を控えると表明したことは、日韓両国が日本軍「慰安婦」問題を女性の人権問題として捉えていないことの証左であるとともに、被害者の名誉や尊厳の回復に反する発言であり、とうてい認めることはできない。

5, この問題が「最終的かつ不可逆的に解決される」かどうかは、ひとえに今後の日本政府の対応にかかっている。問題を解決せず、蒸し返してきたのは、被害者が納得できる措置を日本政府がとらず、安倍政権が「河野談話」の見直しを図るなど、政府として歴史の事実を否定する発言を繰り返してきたためであることを認識しなければならない。

6, 日本政府は、被害者不在の政府間の妥結では問題が解決しないことを認識し、以下のような措置をとらなければならない。
① 総理大臣のお詫びと反省を外相が代読、あるいは大統領に電話でお詫びするといった形ではなく、被害者が謝罪と受け止めることができる形で、改めて首相自身が公式に表明すること。
② 日本国の責任や河野談話で認めた事実に反する発言を公人がした場合に、これに断固として反駁し、ヘイトスピーチに対しても断固とした態度をとること。
③ また、同事業には、被害者が何よりも求めている日本政府保有資料の全面公開、国内外でのさらなる資料調査、国内外の被害者および関係者へのヒヤリングを含む真相究明、および義務教育課程の教科書への記述を含む学校及び一般での教育を含めること。
④ アジア太平洋各地の被害者に対しても、国家の責任を認めて同様の措置をとること。

2015年12月29日
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動

 日本軍「慰安婦」問題、早まった「談合」を警戒する

12月27日、「『帝国の慰安婦』事態に対する立場」を準備した研究者を中心とする、「日本軍『慰安婦』研究会設立推進会」の名前で、28日に予定されている日韓外相会談に対する声明文を発表しています。是非お読みください。(だい)

 
日本軍「慰安婦」問題、早まった「談合」を警戒する


日韓国交正常化50周年である2015年の暮れに、日本軍「慰安婦」問題をめぐる日韓両国政府の 慌ただしい動きがメディアの報道を埋め尽くしています。 

日本の安倍晋三総理が岸田文雄外相に訪韓を指示し、日韓両国は12月28日に外相会談を開催し協議することにしたと伝えられています。また、この背後には李丙琪青瓦台秘書室長と谷内正太郎国家安全保障局長による水面下の交渉があったといいます。 

すでに高齢である被害者たちが存命中に問題を解決することが最善であるという点については 異議を差し挟む余地はありません。しかし時間を理由として早まった「談合」をするのならば、それは「最悪」になるでしょう。 

1990年代初めに日本軍「慰安婦」問題が本格的に提起されてからすでに四半世紀が過ぎました。この長い月日に渡って、被害者たちと、彼女たちの切なる訴えに共感する全世界の市民たちが問題解決のための方法を共に悩み、それによって明確な方向が定まってきました。「事実の認定、謝罪、賠償、真相究明、歴史教育、追慕事業、責任者処罰」がそれです。このことこそが、これまで四半世紀をかけて国際社会が議論を重ねてきた末に確立された「法的常識」です。 

日本軍「慰安婦」問題の「正義の解決」のために、日本政府は「日本の犯罪」であったという事実を認めなければなりません。この犯罪に対し国家的次元で謝罪し賠償しなければなりません。関連資料を余すところなく公開し、現在と未来の世代に歴史の教育をし、被害者たちのための追慕事業をしなければなりません。そして責任者を探し出し処罰しなければなりません。 そうすることではじめて、日本の「法的責任」が終わることになるのです。 

私たちは日本軍「慰安婦」問題に対する韓国政府の公式的な立場が「日本政府に法的責任が残っている」というものであることを再び確認します。韓国政府は2005年8月26日「韓日会談文 書公開後続対策関連民官共同委員会」の決定を通じ「日本軍慰安婦問題など、日本政府・軍等の国家権力が関与した反人道的不法行為については請求権協定によって解決されたものと考えることはできず、日本政府の法的責任が残っている」という立場をはっきりと表明しました。また、これは2011年8月30日の憲法裁判所の決定と、2012年5月24日の大法院判決でも韓国政府の公式的な立場として重ねて確認されました。 

私たちは1995年に始まった日本の「女性のためのアジア平和国民基金」が失敗したことは「日本の責任」を曖昧な形でごまかそうとしたためであることをもう一度確認します。国民基金は日本国民から集めた募金で「償い金」を支給し、日本政府の資金で医療・福祉支援を行い、内閣総理大臣名義の「お詫びの手紙」を渡す事業でした。しかし日本政府が「道義的責任は負うが、法的責任は決して負えない」と何度も強調し、まさにその曖昧さのせいで多くの被害者たちから拒否されたのです。 

今、日韓両国政府がどのような議論をしているのかは明らかではありませんが、メディアによって報道されている内容は上述のような国際社会の法的常識と日本軍「慰安婦」問題の歴史はもちろん、韓国政府の公式的な立場とも明らかに相容れないものです。1995年の国民基金の水準さえも2015年の解決策とはなりえません。それ以下であるのならば、さらに言うまでもありません。何よりもそれはこれまでの四半世紀の間、「正義の解決」を訴えてきた被害者たちの願いをないがしろにするものです。 

今から50年前、日韓両国政府は「経済」と「安保」という現実の論理を打ち立て、過去清算問題に蓋をすることを「談合」しました。まさにそのために今も被害者たちは冷たい街頭で「正 義の解決」を訴えざるをえなくなりました。50年前と同じ「談合」をまたしても繰り返すので あれば、これは日韓関係の歴史に大きな誤りをまたひとつ追加する不幸な事態になってしまうでしょう。 
2015.12.27. 

日本軍「慰安婦」研究会設立準備会 

【全国行動  声明】 「慰安婦」被害当事者が受け入れられる解決策を

韓国挺身隊問題対策協議会は、日韓首脳会談を控えた10月30日午前、ソウルの日本大使館前で日本軍「慰安婦」問題のあるべき解決を求めて記者会見を行いました。これにあわせ、私たちも構成団体に参加している日本軍「慰安婦」問題解決全国行動も声明を出し、日本大使館前で公表されました。
すでに多くの韓国マスメディアで取り上げられています。

ぜひお読み下さい。




《声 明》
「慰安婦」被害当事者が受け入れられる解決策を

11月2日、韓国ソウルにおいて4年ぶりとなる日韓首脳会談が予定されています。最も近い隣国でありながらこれまで首脳会談すら開催できなかったのは、歴史認識の隔たりによるところが大きく、とりわけ「慰安婦」問題に対する安倍首相の認識は日韓関係改善の大きな妨げとなってきました。就任直後から「河野談話」の見直しに言及し、今年8月に発表された戦後70年「安倍談話」においても注目されていた「慰安婦」の言葉はどこにも明示されていません。すでに9回を数える日韓局長級会談でも日本政府は「慰安婦」問題は「日韓請求権協定で解決済み」の姿勢を崩さず、双方の対立を埋めることはできないでいます。1965年当時、その存在すら認めていなかった「慰安婦」問題を日韓請求権協定で解決したと言えるはずもなく、国際法、国内法にも違反する重大な戦争犯罪を今日に至るまで認めようとしない日本政府の責任は重大です。

首脳会談を前に1995年に政府主導でつくられ、2007年に終了した「女性のためのアジア平和国民基金」のフォローアップ事業に政府の予算を追加して新たな基金をつくるという提案が浮上していると報じられています。しかし、国民基金が政府の責任を明確に認めたものではなかったため多くの被害者がこれを受け入れず、「失敗」に終わったことを忘れてはならないでしょう。

 「慰安婦」制度は当時の日本軍が立案、設置、募集、管理した制度であることは、多くの研究や資料によってすでに立証されており、その点において戦時性奴隷制の象徴的な事例として国際的に知られています。さらに、被害者が名乗り出て加害国である日本政府に事実の認知と被害回復措置を求め続けているにもかかわらず、被害者を侮辱する発言を容認している日本政府の態度は、国内外で深い憂慮と関心を集めています。1990年代に名乗り出ることができた被害者の多くはすでに亡くなられ、高齢の被害者に残された時間は限られています。今、決断し、解決へと一歩踏み出すことが、日韓関係だけでなくアジアと世界における平和構築に向けての日本政府のメッセージになります。

私たち日本軍「慰安婦」問題解決全国行動は、2014年6月に8カ国の被害者とその支援者がともに「日本政府への提言―日本軍「慰安婦」問題解決のために」をまとめ、政府に提出しました。そこでは、なぜ日本政府のこれまでの談話が「謝罪」として受けとめられてこなかったかについて、はっきりと理由が述べられています。それは、日本政府および軍が、軍の施設として「慰安所」を立案・設置し管理・統制したという事実とその責任を日本政府が曖昧さのない明確な表現で認めるという、当たり前の行為が伴ってこなかったからでした。そして、賠償、真相究明、教育や否定発言への反駁といった再発防止のための後続措置が伴って初めて、謝罪が真摯なものであるとして被害者に受け入れられることができる―「慰安婦」問題解決にいたる道を提言は明確に示しているのです。

「和解」とは、被害当事者が受け入れられる解決策が示された時にはじめて、その第一歩を踏み出すことができる長い道のりです。日韓両政府はこれ以上解決を遅らせることなく、真摯に被害者の声に向き合って解決への道を切り拓くことを強く要求します。

 

2015年10月30日
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
共同代表 梁澄子 渡辺美奈

安倍談話を許さない! 安倍首相は日本軍「慰安婦」問題での加害の事実を認め、誠実に謝罪せよ

安倍談話を許さない!
安倍首相は日本軍「慰安婦」問題での加害の事実を認め、誠実に謝罪せよ

 戦後70年目の8月14日、金学順さんが日本軍「慰安婦」被害者として初めて名乗り出られて24年目となる日本軍「慰安婦」メモリアル・デーのその日、安倍首相は談話を発表しました。アジア・太平洋の広い地域におられる戦争被害者たちが高齢になり、次々と亡くなっている中、戦後の節目に出す首相談話としては、被害者が直接聞くことができるたぶん最後の機会になると思われます。にもかかわらず安倍首相は、加害責任を明確にせず、アジアの人々に向けた過去の歴史の反省や謝罪を自分の言葉で述べていません。
これまでの首相談話の基本姿勢を全否定し、ねじ曲げようとする内容に、私たちは怒りを禁じ得ません。今、安倍首相はこの国をアメリカとともに「戦争をする国」にするため、多くの反対の声を無視し、なりふり構わず突き進んでいますが、この談話も、それを実現するためのものであることは明白です。日本軍「慰安婦」被害者だけではなく、日本軍が被害を与えたアジアの人々はもちろん、さらに二度と侵略戦争や植民地支配の歴史を繰り返さないようにと願っている多くの人々をこれほど傷つけ愚弄する談話はありません。私たちは安倍談話の撤回と安倍首相の謝罪を要求します!

 安倍談話では、日本軍「慰安婦」問題について直接触れられていません。「戦場の陰には深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません」という一文はあるものの、それが誰のことを指しているのかわかりません。8月24日、参議院での福島瑞穂議員の重ねての質問に対して安倍首相は、そこに日本軍「慰安婦」被害者のことも含まれていると言及しました。これだけ多くの被害者が名乗り出ていて、また、国際社会からも誠実な対応を求められているにも関わらず、「慰安婦」という言葉を明確に書くことを避けているとは、安倍首相がいかに被害者を無視し、日本軍「慰安婦」制度を認めたくないかということの表れとしか言えません。

 そもそも日本軍「慰安婦」被害者が受けた暴力は、謝罪の言葉も述べず、「深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません」という一言で済ませられるようなことだったのでしょうか。
 韓国に住む金福童(キムボットン)さんは、業者に「軍服の縫製工場でいい働き口がある」と誘われ、中国・東南アジアの慰安所を連れ回されました。言葉も通じない異国で、自由を奪われ、拒否すると殴られました。その業者とは日本軍が選び、「慰安婦」の移送は軍が行っていました。性病検査は軍医が行い、慰安所を建てたのも、もちろん日本軍です。
 中国の桂林に住む韋紹蘭(ウェイシャオラン)さんは、大陸打通作戦で侵攻してきた日本軍によって、突然陣地に拉致・監禁されました。命からがら逃げ延びた時、すでに日本兵の子どもを身ごもっており、生まれた息子は「日本(リーベン)鬼子(クィズ)の子」と周囲になじられて生きてきました。
 フィリピン・ネグロス島出身のエステリータ・ディさんは、市場で野菜を売っている時にトラックで乗り込んできた日本兵に拉致され、日本軍の基地に3週間監禁され、輪かんされ続けました。米軍の侵攻により解放されても故郷で暮らすことができず、記憶から逃げるようにマニラで暮らしてきました。

 このような日本軍「慰安婦」被害者は、日本軍が植民地支配し、また侵攻した国々にたくさんおられます。彼女たちは自由を奪われ、自分の意思とは関係なく日本軍兵士の相手をさせられました。それゆえ、国際的に性奴隷と認められ、国際社会からも早期の解決が求められているのです。このような被害者たちを「深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たち」と他人事のように言い、何の謝罪の言葉も述べないとは、安倍首相、あなたこそが日本軍「慰安婦」被害者の名誉と尊厳を、再び傷つけているのです。

 問題は、日本軍「慰安婦」問題だけではありません。安倍談話は日本の侵略戦争における加害行為について一切触れていません。「戦闘のみならず、食糧難などにより、多くの無辜の民が苦しみ、犠牲」とありますが、一体、だれが戦闘状況を作りだし、苦しみを与えたのかを明確に書くべきです。中国大陸や東南アジアに侵攻した日本軍が住民に対して行ったことは、家々を焼き、逃げ惑う人々を殺し、食糧を奪い尽くすという行為でした、赤ん坊を放り投げて銃剣で突き刺し、手当たり次第に女性をレイプして殺すような残虐行為も行いました。朝鮮人や中国人の強制連行・強制労働による多数の無惨な犠牲も、日本による加害行為なのです。
 さらに、談話では植民地支配の責任を一切認めていません。日露戦争が植民地解放を望む人々を勇気づけたとありますが、その日露戦争こそが韓国併合を決定づけた、その歴史的事実をこそ取りあげ、植民地支配責任を果たすべきです。

 今回、安倍首相は、アジアの戦争被害者に謝罪しませんでした。それどころか、中国残留孤児を養育した中国人や、「敵国」であった米英の元捕虜たちの「寛容」に感謝する言葉のその裏には、今も日本を許せないでいる多くの被害者に対して、被害者たちが「非寛容」ゆえに解決できないのだと、まるで本末転倒の非難を被害者に向けている態度が見えています。
 和解とは、すべての被害者が謝罪を受け入れて赦し、そうしてはじめて成り立つのです。安倍首相は「繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明」してきたと述べていますが、一方で加害の事実を認めず、ことあるごとに否定してきました。日本軍「慰安婦」問題について「強制連行を示す公文書はなかった」と虚偽の閣議決定をし、今でも撤回していません。首相就任直後から河野談話を否定しようと試み、そして今回の談話の中で「歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎない」と言いながら、加害の事実も責任も一切認めず、実質的に村山談話を否定しています。そうしたあなたの行為の一つひとつが、繰り返し被害者を傷つけ、和解を遠ざけているのです。
安倍談話には「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」とあります。ならば安倍首相、あなたがまず率先して加害の事実を認め、謝罪し、被害者に赦しを請うべきです。あなたは金福童さん、韋紹蘭さん、エステリータ・ディさん、その他のたくさんの日本軍「慰安婦」被害者一人ひとりに対して、日本軍が何をしたのか具体的に認め、赦しを請わなければなりません。しかし、今も被害者を傷つけ続けているあなたに、未来の世代に「謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」等と口にする資格はありません。

 私たちは安倍談話を絶対に許しません! アジアの人々とともに平和への道を歩むことができるよう、日本軍「慰安婦」問題の真の解決を勝ち取り、安倍談話を葬り去る日まで闘い続けます!
 

2015年9月4日
日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

希望ナビ 日本軍「慰安婦」問題解決のための大阪駅前水曜行動 声明

日本軍「慰安婦」問題解決のための大阪駅前水曜行動 声明

1930年代から第2次世界大戦の敗戦に至るまで、日本は数多くのアジアの女性たちを強制連行、拉致、人身売買によって戦場を連れ歩き、日本軍の性的奴隷として人権を蹂躪した。 しかし、日本政府によって組織的に強行されたこの野蛮な犯罪の被害者は解放・戦後70年に達する今日まで人権と正義の回復を得られないまま、むしろその真実さえ否定する日本政府の持続的な責任回避と歴史わい曲の中で苦痛を強いられている。

国際人権機関をはじめとする国際社会は、日本軍「慰安婦」問題に対する日本政府の公式謝罪と法的賠償を繰り返し促したが、日本政府は破廉恥な態度で事実を否定している。
安倍内閣は日本の軍事的再武装と戦争遂行のために、平和維持のための最小限の安全装置である平和憲法まで改悪するという意図を公式化している。
先日締結された韓米日軍事情報共有約定と、韓日の軍事保護協定は日本軍国主義復活意図を公式化する動きであり、東北アジアを越えて国際社会の憂慮と非難の対象になっている。

今年2015年は朝鮮半島の解放と同時に分断70年になる年だ。しかし、日本軍「慰安婦」被害者をはじめとする私たちの民族に真の解放は実現されなかった。日本帝国主義と軍国主義の復活の動き、従来から続いている韓米日軍事同盟と戦争の威嚇がその証拠だ。日本とアメリカは戦争の動きを直ちに中断するべきで、韓国政府はこのような従属的な同盟関係に屈服するのではなく、民族の自主性と真の解放のために努力しなければならない。

光復(解放)70周年の最初の月、光復を迎えることなく日本軍「慰安婦」被害者ファン・ソンスンハルモニが先日89才で私たちのもとから旅立たれた。今日も駐日本大使館の前で高齢の身で真の解放を叫ぶ日本軍「慰安婦」被害者が望むのは、自分と同じ被害が再び繰り返されないことだ。私たちは歴史の被害者を越えて、人権運動家として生きておられるハルモニたちの精神を繋いで、帝国主義によって繰り返される戦争の連鎖を断ち切って真の平和と解放の実現に向かっていかなければならない。
日本軍「慰安婦」被害者の真の解放はすなわち、私たちの民族、さらには全人類が自主権を回復して戦争のない平和な世界をつくることだ。
私たちはこの問題を国際社会が人類共通の問題として認識できるよう努力し、このような戦争犯罪が再び起きないようにするだろう。

私たちは日本軍「慰安婦」問題の早急な解決のために次のことを求める。

―日政府は国際法に従って日本軍「慰安婦」犯罪に対する国家的責任を認めて、被害者に公式謝罪と法的賠償を実施すること!
―日本政府は過去の戦争の歴史を反省し、新たな戦争に対する試みを中断すること!
―韓国政府は従属的な同盟関係を拒否して民族の自主と解放のために直ちに立ち上がること!
―人権蹂躪の犯罪が強行され、平和を威嚇するすべての戦争に反対する!
2015年2月4日(水)
日本軍「慰安婦」問題解決のための101回大阪水曜デモ

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わたしたちは日本軍「慰安婦」問題解決のため、関西を中心に活動しています。

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