2018/01/25
2017/12/07
「慰安婦」正義連盟の声明
2017/06/28
またも政府高官が暴言! 日本政府自らが日韓合意を破綻させた
駐アトランタ総領事が日本軍「慰安婦」問題に関して暴言を吐きました。
総領事は「売春婦だから性奴隷ではない」と主張していますが、「売春婦だからこそ性奴隷」というのが国際社会の共通認識であり、日本軍「慰安婦」問題は国家がその制度を作ったということで大きな批判を浴びているのです。
このような無知で人権意識のない発言が日本政府の「代表」から発せられるのは、本当に恥ずべきことです。全く許すことができません。
これまでも日本政府は国連の場でも「強制連行はなかった」「性奴隷ではない」と繰り返してきました。そのたびに欧米各国から失笑を買い、世界中の女性から怒りを買ってきたのです。
ぜひ全国行動の声明をよんで、怒りを共有してください。そして日本政府に抗議の声を!
またも政府高官が暴言! 日本政府自らが日韓合意を破綻させた
6月26日(現地時間)、 米ジョージア州アトランタ駐在の篠
これは、日韓合意後も「官憲による強制連行を示す記述はない」「
日本軍「慰安婦」制度が性奴隷制度であったことは、
政治家や政府高官らが的外れな論点を持ち出して、「慰安婦」
篠塚領事はまた、6月30日にジョージア州の小都市ブルックヘブ
水曜デモ1000回を機にソウルの日本大使館前に立てられた「
米ブルックヘブン市公園の「平和の少女像」設置をめぐっては、
この他にも、「
昨年2月、
日本政府は、「
2017年6月28日
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
2017/06/27
日本政府の「慰安婦」問題に関する答弁書についての声明
2017/01/09
条件付き謝罪は謝罪ではない 日本政府は、日韓合意の破綻を認め、 「慰安婦」被害者と韓国の民意に向き合え
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動 声明
条件付き謝罪は謝罪ではない
日本政府は、日韓合意の破綻を認め、
「慰安婦」被害者と韓国の民意に向き合え
日本政府は、釜山総領事館前に「平和の少女像(以下、少女像)が設置されたことに対し、駐韓大使および釜山総領事の一時帰国など4項目の対抗措置をとると発表した。同措置およびこれを伝える報道に、私たちは強く抗議 する。
Ⅰ 日本政府に抗議する
1.韓国では、2015年12月28日の日韓政府間合意(以下、合意)に対する民衆の怒りが爆発し、日本政府に対する不信感がさらに高まった。直近の世論調査でも、「合意を破棄すべき」との回答が6割に迫っている。釜山の少女像も、合意に怒った釜山市民・学生らが合意直後に建立計画を立て、合意1周年の日に設置を挙行したものだ。まさに合意が、韓国民衆との関係改善を図りようもない状況 をつくり出したと言っても過言ではない。
合意後にさらに高まった怒りの主な要因は、
(1)日本政府が10億円について「賠償ではない」と繰り返し述べたこと、にもかかわらず韓国政府と「和解癒し 財団」が「賠償にあたるもの」等と国民を欺き、被害者たちの説得にも当ってき たこと、
(2)安倍首相がお詫びの手紙について「毛頭考えていない」と一蹴するなど、「お詫びと反省」を合意で謳いながら実は謝罪する気など全くないこと、
(3)「日本は10億円を拠出したのに、韓国は合意を守っていない」として、日本 政府が事実上、駐韓日本大使館前の「平和の碑」の撤去にのみ執着し、圧力を加えていること。韓国民衆は「韓国政府が10億円で『平和の碑』を売り飛ばした」と怒っている。
韓国民衆を怒らせているのは、女性たちを戦争遂行の道具とする重大な人権侵害をおかしながら、心から謝罪するどころか、「金を出したんだから碑を撤去しろ」と言わんばかりの日本政府の態度なのである。「未来世代に謝罪を繰り返させない」ために口先だけで「お詫びと反省」というフレーズを述べたにすぎないことが、この「少女像」をめぐる態度に象徴的に現れていると見抜かれているのだ。これは、ナチスに虐殺されたユダヤ人犠牲者のための記念碑、記念施設をブランデンブルグ門の南に設置したドイツ政府の姿勢とはあまりにも対照的だ。本来、日本政府が日本国内に記念碑や施設を建てるのが加害国としてあるべき姿勢なのである。
2.今回の事態には、甚だしい論理のすり替えがある。日本政府は、合意に従ってすでに10億円を支払ったのだから、合意で「最終的・不可逆的に解決」したのだから、釜山市民が釜山の領事館前に少女像を設置するのを韓国政府が禁止しないことは合意違反だと言う。しかし、合意ではソウルの日本大使館前の「平和の碑」について「適切に解決されるよう努力する」ということだけで、そもそも「平和の碑」の撤去も約束されてはいない。正式文書もない、両政府が口頭で発表しただけの「最終的・不可逆的解決」合意が、民衆の慰霊・追悼、記憶の行為にまで及ぶかのように世論をミスリードする行為を、政府は直ちにやめなければならない。
3.諸悪の根源は、被害者を抜きにした、「慰安婦」問題の根本的解決ではない、政府間合意自体に存在する。これに気づかない限り、被害者の、また韓国民衆の怒りと不満のマグマはいつまでも噴出し続けるだろう。この度の事態も、日韓合意では日本軍「慰安婦」問題の解決にならないことを再び浮き彫りにした。こうした事態が起きるたびに高圧的に対処することはかえって反発を招き、関係を悪化させる。
第一、今回の少女像設置問題を直ちに政治・経済問題に直結させ、4項目の制裁措置をとるのはあまりに稚拙だ。過去の日本が犯した重大な人権侵害の被害回復、つまり人権問題なのであり、外交・政治・経済問題とは別に協議し考慮すべきだ。日本が加害国としての責任を果たすべく、2012年にアジア連帯会議が提出した「日本政府への提言」に立脚した根本的解決策を実施しなければ、永久に、こうした事件が続くであろう。
また、昨年11月には、謝罪と補償を長年待ち続けているフィリピン、東ティモール、インドネシアの高齢の被害者たちが遠路来日して外務省を訪れ、私たちも同様に被害者であると切々と訴えた。韓国だけではない、アジアの全被害者に対して、被害者が亡くなる前に日本は責任を果たさねばならない。
Ⅱ 報道機関に求める
この件に対する報道は押し並べて、合意により日韓関係が改善に向かっていたという前提に立っている。これは、交渉自体が困難になっていた首脳会談や安全保障等、政府間での協議ルートが再開されたことを主に指していると思われるが、政府間の関係だけが日韓関係なのだろうか。または経済関係だけが日韓関係なのだろうか。
前述のように、釜山の少女像も、合意に怒った釜山市民・学生らが合意1周年の日を期して設置を挙行したものだ。このような韓国市民の怒りを無視して「関係が改善したと報じるメディアは、政府の視点に追随し、民衆の意思を黙殺する非民主的な言説を振りまいていることを認識すべきである。翼賛報道の轍を踏まず、メディアの使命と主体性を自覚し、この問題の本質的な 視点に立った報道をするよう求める。
2017年1月8日
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
2016/12/28
2・28日韓「合意」は解決ではない! 日本政府は「慰安婦」問題解決に立ちあがれ
<アピール>
12・28日韓「合意」は解決ではない!
日本政府は「慰安婦」問題解決に立ちあがれ
昨年12月28日の日韓政府間「合意」から一年を迎えました。
被害者をおきざりに、「責任の痛感」「お詫びと反省」「軍の関与」というあいまいな事実認定と実体のない言葉を並べて日本軍「慰安婦」問題を「最終的かつ不可逆的に」解決すると表明した日韓「合意」に対し、私たちはあらためて、「合意」は解決ではないことを訴えます。
「合意」発表直後から、韓国では被害者はもちろん市民・学生らによる批判と抗議の声が湧きおこりました。日本では政府とメディアが一体となって、あたかも「慰安婦」問題は「合意」によって終結したかのような見方を拡げました。私たちはこのような動きを許すことができないと、「合意は解決ではない」ことを訴え、全国各地で集会やデモ、講演会などあらゆる行動を展開、日本政府への要請行動も行ってきました。11月には韓国、フィリピン、インドネシア、東チモールの被害者を招いて証言集会や外務省交渉を行い、今もアジアの各国で被害に苦しむ被害者らの存在を伝え、「慰安婦」問題は日韓間だけでは解決できない問題であり、日韓「合意」で解決していないことを訴えました。
韓国政府は2011年の憲法裁判所決定を受けて、「慰安婦」問題は日韓請求権協定で「法的に解決済み」であるか否かについて、日本政府と対立した状況にありました。これを棚上げして「合意」としたことは、国家としての責任を放棄するものです。日本政府が「日韓条約で解決済み」「10億円は賠償金ではない」と繰り返しているにも関わらず、「和解・癒し財団」のもと、「賠償金」であるかのように装いながら被害者に配るというのは、まさに被害者を欺き、愚弄するものです。日本大使館前の「平和の碑(少女像)」の撤去を執拗に求める日本政府の姿勢もまた、「反省」や「お詫び」が口先だけのものだと繰り返し見せつける行為です。このように、「合意」は被害者の尊厳回復措置を行うと言いながら、それどころか、被害者の尊厳を傷つけているのです。
安倍首相は国会で、「合意」は「私たちの子どもや孫、次の世代の子どもたちに謝罪し続ける宿命を負わせるわけにはいかない。その決意を実行に移すための決断」だったと述べました。そして、被害者へのお詫びの手紙の話が出ると即座に、「毛頭考えていない」と答えたことと同様、安倍首相にはこの「合意」で国家の責任を認める気もなければ謝罪の意思もないことが明らかです。今、未來の世代のためになすべきこととは、歴史を隠蔽することではなく、事実を明らかにし、記録し、記憶・継承すること、再び被害を繰りかえさせないことです。
日本政府は第12回アジア連帯会議で各国被害者と支援者によって採択された「日本政府への提言」と、国際人権基準に沿って、加害の事実に向き合い、謝罪と賠償、真相究明と教育などの被害回復、再発防止措置を行うよう、私たちは強く求めます。
2017年、私たちは二国間の談合的「合意」によって翻弄され、踏みにじられたすべての被害者の尊厳回復のために、アジアの被害者や市民と連帯し、ともに闘います。
みなさまがともに声をあげてくださることを心より願うものです。
2016年12月28日
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
2016/07/28
【全国行動声明】被害者を欺き分断する 「和解・癒し財団」に抗議する
全国行動抗議声明「和解・癒し財団」に抗議する
本日、「12.28日韓政府間合意(以下、「合意」)」に基づく財団が発足した。「和解・癒し財団」と名付けられたこの財団は、「合意」に反対する被害者と市民を置き去りにして、両政府だけが「和解」する奇妙な様相を見せている。
1.財団設立に至る韓国政府と財団関係者のふるまいは、被害者への「癒し」にならない。
報道によると、韓国政府は「合意」後、被害者と被害者家族に会い、「10億円は事実上の賠償金だ」という説明をして回ったという。これは、「このお金は賠償あるいは償い金、こうしたものではありません」(3月17日参議院外交防衛委員会での岸田外相の答弁)という日本政府の立場とは明らかに異なるものだ。
5月31日、「財団設立準備委員会」発足記者会見で金兌玄委員長が「10億円は賠償金ではない。被害者の傷を癒し名誉を尊重するというレベルで、賠償金と見るのは難しい」と発言したことの方が、日本政府の意図を正確に読み取っていると言えよう。しかし、韓国政府の説明と異なる発言をした金委員長は、2日後には「(日本が)法的責任を認めて、被害者の心の傷を癒し、その癒しを通して結局賠償したという、そういう意味で拠出すると見ればいい」と苦しい弁明に転じた。
まさに、被害者不在のまま政府間での政治決着を急いだ「合意」のほころびが如実に現れた一例だ。
また、本日の発足式に出席させるため、被害者らに発足式であることは告げずに「昼食をご馳走する」とだけ説明したという報道もある。「具合が悪くて行けない」「記者が来て写真を撮られるのではないか、写真は絶対にダメだ」等と難色を示すと、「来なければお金が出ない」とまで言われたと主張する被害者もいる。政府と財団は否定しているが、同じような内容の情報が複数の被害者から支援団体に寄せられており、事実無根とは考えにくい。まさに、被害者への「癒し」とは全く逆の「強要」のレベルに至っていると言えるのではないか。
2.被害国政府に責任を押しつけ「平和の碑」の撤去にのみこだわる日本政府が、「責任を痛感」していると誰が信じるだろうか。
何よりも恥ずかしく許しがたいのは、被害国政府に責任を押しつけて高みの見物を決め込む日本政府の姿勢だ。「責任を痛感」し「心からのお詫びと反省の気持ちを表明する」と言うならば、その気持ちに基づいてすべきことは、何に責任を感じ、何を反省しているのかを、国内的にも国際的にも明確に示していくことであるはずだ。つまり、日本軍「慰安婦」問題の歴史的事実を究明し、その事実を人々に知らせ教育し、二度と同じことが繰り返されないように教訓にしていくための取り組みこそが求められているのである。
ところが日本政府が「合意」後にとってきた姿勢は真逆だ。2月の国連女子差別撤廃委員会では「軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できる資料はなかった」等と発言し、8カ国の市民団体と英国戦争記念館が日本軍「慰安婦」関連記録物をユネスコの記憶遺産に登録申請したことについても「記憶遺産事業が政治利用されることがないよう、制度改革を含め引き続き全力で対応していきたい」(6月2日、菅官房長官)と述べるなど、日本軍「慰安婦」問題を人類の教訓にしようとする国際的な動きに真っ向から対立する姿勢を見せている。
その一方で、日本政府とメディアが関心を示すのは、ソウルの日本大使館前に設置された「平和の碑」(少女像の正式名称)の移転のみである。繰り返し言うが、「平和の碑」には「1992年1月8日、日本軍「慰安婦」問題解決のための水曜デモが、ここ日本大使館前ではじまった。2011年12月14日、1000回を迎えるにあたり、その崇高な精神と歴史を引き継ぐため、ここに平和の碑を建立する」とだけ書かれており、日本を非難したり侮辱したりする何らの内容も刻まれていない。「慰安婦」被害女性たちの歴史、平和、希望、連帯、解決を待ちわびる思いを込めて設置されたものだ。これを共に守っていくことこそが、「反省」の気持ちが真実であることを世界と歴史に示すことなのである。にもかかわらず、その移転・撤去にのみ執着する姿は、「合意」で語られた「お詫びと反省」が「最終的・不可逆的解決」なる「慰安婦」問題の抹消をめざす方便にすぎないことを、あまりにも如実に語っている。
3.日韓両政府は、全ての被害者が受け入れられる解決策を示せ
本日発足した「和解・癒し財団」は、その名に反して、被害者を分断し新たな不和をもたらしている。「合意」に明確に反対を表明する韓国の被害者たちの意思は無視され、フィリピン、台湾、中国、インドネシア、東ティモール、朝鮮民主主義人民共和国、オランダ等の被害者らは、そもそも「合意」から完全に排除されているからだ。
全ての不協和音は、「責任」を口にしながら「責任」を回避する日本政府の無責任な姿勢から生じている。そして、今や韓国政府が前言を翻し、日本政府による歴史の否定、つまりさらなる人権侵害を等閑視してでも「合意」を推進する態度は見るに堪えない。
日韓両政府は、被害者間に分断をもたらす「和解・癒し財団」を推進するのではなく、全ての被害者が受け入れられる国際人権基準に基づいた被害回復の途を示さなければならない。このまま「合意」による「最終的・不可逆的解決」を強引に推し進めれば、「和解」どころか、歴史に取り返しのつかない禍根を残すことになる。日韓両政府は、全ての被害者の声に耳を傾けなければならない。
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
2015/12/29
【日本軍「慰安婦」問題解決全国行動 声明】 被害者不在の「妥結」は「解決」ではない
声明12月28日、日韓外相は日本軍「慰安婦」問題について会談し、共同記者会見を開いた。その内容についての評価は、本来、被害者がどう受け止めたかによって判断されるべきであるが、私たちは昨年来、政府に、各国の被害者と支援者が集まった「アジア連帯会議」で協議・合意した、解決のための「日本政府への提言」を提案し、日本軍「慰安婦」問題解決のために取り組んできた団体として、日韓外相会談の結果について以下のようにコメントする。
1, 今回の協議は終始一貫、被害者不在で進められた。それが本日の結果に如実に表れており、「最終的な解決」にするには、被害者にとってあまりにも課題の多いものとなった。とりわけ安全保障政策を重視する米国の圧力のもとで日韓政府が政治的に妥結し、最終的合意としてしまったことは、50年前の日韓基本条約の制定過程を彷彿させ、東アジアが現在もなお、米国の支配下にあることを痛感させられるできごとだった。
2, 日本政府は本日、ようやく国家の責任を認めた。安倍政権がこれを認めたことは、四半世紀もの間、屈することなくたたかって来た日本軍「慰安婦」被害者と市民運動が勝ち取った成果である。しかし、責任を認めるには、どのような事実を認定しているのかが重要であり、それは即ち「提言に示した①軍が『慰安所』制度を立案、設置、管理、統制した主体であること、②女性たちが意に反して「慰安婦」にされ、慰安所で強制的な状況におかれた事、③当時の国際法・国内法に違反した重大な人権侵害であったことを認めなければならないということだ。「軍の関与」を認めるにとどまった今回の発表では被害者を納得させることはできないであろう。
3, 韓国外相は「平和の碑」(少女像)について、「適切に解決されるよう努力する」と述べた。日本政府が、被害者の気持ちを逆なでする要求を韓国政府に突き付けた結果である。このような勝手な「合意」は、被害者を再び冒涜するものに他ならない。
4,さらに、教育や記憶の継承の措置についてはまったく触れず、国際社会において互いに批判・非難を控えると表明したことは、日韓両国が日本軍「慰安婦」問題を女性の人権問題として捉えていないことの証左であるとともに、被害者の名誉や尊厳の回復に反する発言であり、とうてい認めることはできない。
5, この問題が「最終的かつ不可逆的に解決される」かどうかは、ひとえに今後の日本政府の対応にかかっている。問題を解決せず、蒸し返してきたのは、被害者が納得できる措置を日本政府がとらず、安倍政権が「河野談話」の見直しを図るなど、政府として歴史の事実を否定する発言を繰り返してきたためであることを認識しなければならない。
6, 日本政府は、被害者不在の政府間の妥結では問題が解決しないことを認識し、以下のような措置をとらなければならない。
② 日本国の責任や河野談話で認めた事実に反する発言を公人がした場合に、これに断固として反駁し、ヘイトスピーチに対しても断固とした態度をとること。
③ また、同事業には、被害者が何よりも求めている日本政府保有資料の全面公開、国内外でのさらなる資料調査、国内外の被害者および関係者へのヒヤリングを含む真相究明、および義務教育課程の教科書への記述を含む学校及び一般での教育を含めること。
④ アジア太平洋各地の被害者に対しても、国家の責任を認めて同様の措置をとること。
2015年12月29日
2015/12/28
日本軍「慰安婦」問題、早まった「談合」を警戒する
12月27日、「『帝国の慰安婦』事態に対する立場」を準備した研究者を中心とする、「日本軍『慰安婦』研究会設立推進会」の名前で、28日に予定されている日韓外相会談に対する声明文を発表しています。是非お読みください。(だい)日韓国交正常化50周年である2015年の暮れに、日本軍「慰安婦」問題をめぐる日韓両国政府の 慌ただしい動きがメディアの報道を埋め尽くしています。
日本の安倍晋三総理が岸田文雄外相に訪韓を指示し、日韓両国は12月28日に外相会談を開催し協議することにしたと伝えられています。また、この背後には李丙琪青瓦台秘書室長と谷内正太郎国家安全保障局長による水面下の交渉があったといいます。
すでに高齢である被害者たちが存命中に問題を解決することが最善であるという点については 異議を差し挟む余地はありません。しかし時間を理由として早まった「談合」をするのならば、それは「最悪」になるでしょう。
1990年代初めに日本軍「慰安婦」問題が本格的に提起されてからすでに四半世紀が過ぎました。この長い月日に渡って、被害者たちと、彼女たちの切なる訴えに共感する全世界の市民たちが問題解決のための方法を共に悩み、それによって明確な方向が定まってきました。「事実の認定、謝罪、賠償、真相究明、歴史教育、追慕事業、責任者処罰」がそれです。このことこそが、これまで四半世紀をかけて国際社会が議論を重ねてきた末に確立された「法的常識」です。
日本軍「慰安婦」問題の「正義の解決」のために、日本政府は「日本の犯罪」であったという事実を認めなければなりません。この犯罪に対し国家的次元で謝罪し賠償しなければなりません。関連資料を余すところなく公開し、現在と未来の世代に歴史の教育をし、被害者たちのための追慕事業をしなければなりません。そして責任者を探し出し処罰しなければなりません。 そうすることではじめて、日本の「法的責任」が終わることになるのです。
私たちは日本軍「慰安婦」問題に対する韓国政府の公式的な立場が「日本政府に法的責任が残っている」というものであることを再び確認します。韓国政府は2005年8月26日「韓日会談文 書公開後続対策関連民官共同委員会」の決定を通じ「日本軍慰安婦問題など、日本政府・軍等の国家権力が関与した反人道的不法行為については請求権協定によって解決されたものと考えることはできず、日本政府の法的責任が残っている」という立場をはっきりと表明しました。また、これは2011年8月30日の憲法裁判所の決定と、2012年5月24日の大法院判決でも韓国政府の公式的な立場として重ねて確認されました。
私たちは1995年に始まった日本の「女性のためのアジア平和国民基金」が失敗したことは「日本の責任」を曖昧な形でごまかそうとしたためであることをもう一度確認します。国民基金は日本国民から集めた募金で「償い金」を支給し、日本政府の資金で医療・福祉支援を行い、内閣総理大臣名義の「お詫びの手紙」を渡す事業でした。しかし日本政府が「道義的責任は負うが、法的責任は決して負えない」と何度も強調し、まさにその曖昧さのせいで多くの被害者たちから拒否されたのです。
今、日韓両国政府がどのような議論をしているのかは明らかではありませんが、メディアによって報道されている内容は上述のような国際社会の法的常識と日本軍「慰安婦」問題の歴史はもちろん、韓国政府の公式的な立場とも明らかに相容れないものです。1995年の国民基金の水準さえも2015年の解決策とはなりえません。それ以下であるのならば、さらに言うまでもありません。何よりもそれはこれまでの四半世紀の間、「正義の解決」を訴えてきた被害者たちの願いをないがしろにするものです。
今から50年前、日韓両国政府は「経済」と「安保」という現実の論理を打ち立て、過去清算問題に蓋をすることを「談合」しました。まさにそのために今も被害者たちは冷たい街頭で「正 義の解決」を訴えざるをえなくなりました。50年前と同じ「談合」をまたしても繰り返すので あれば、これは日韓関係の歴史に大きな誤りをまたひとつ追加する不幸な事態になってしまうでしょう。
日本軍「慰安婦」研究会設立準備会
2015/10/30
【全国行動 声明】 「慰安婦」被害当事者が受け入れられる解決策を
韓国挺身隊問題対策協議会は、日韓首脳会談を控えた10月30日午前、ソウルの日本大使館前で日本軍「慰安婦」問題のあるべき解決を求めて記者会見を行いました。これにあわせ、私たちも構成団体に参加している日本軍「慰安婦」問題解決全国行動も声明を出し、日本大使館前で公表されました。すでに多くの韓国マスメディアで取り上げられています。
ぜひお読み下さい。
《声 明》
11月2日、韓国ソウルにおいて4年ぶりとなる日韓首脳会談が予定されています。最も近い隣国でありながらこれまで首脳会談すら開催できなかったのは、歴史認識の隔たりによるところが大きく、とりわけ「慰安婦」問題に対する安倍首相の認識は日韓関係改善の大きな妨げとなってきました。就任直後から「河野談話」の見直しに言及し、今年8月に発表された戦後70年「安倍談話」においても注目されていた「慰安婦」の言葉はどこにも明示されていません。すでに9回を数える日韓局長級会談でも日本政府は「慰安婦」問題は「日韓請求権協定で解決済み」の姿勢を崩さず、双方の対立を埋めることはできないでいます。1965年当時、その存在すら認めていなかった「慰安婦」問題を日韓請求権協定で解決したと言えるはずもなく、国際法、国内法にも違反する重大な戦争犯罪を今日に至るまで認めようとしない日本政府の責任は重大です。
首脳会談を前に1995年に政府主導でつくられ、2007年に終了した「女性のためのアジア平和国民基金」のフォローアップ事業に政府の予算を追加して新たな基金をつくるという提案が浮上していると報じられています。しかし、国民基金が政府の責任を明確に認めたものではなかったため多くの被害者がこれを受け入れず、「失敗」に終わったことを忘れてはならないでしょう。
「慰安婦」制度は当時の日本軍が立案、設置、募集、管理した制度であることは、多くの研究や資料によってすでに立証されており、その点において戦時性奴隷制の象徴的な事例として国際的に知られています。さらに、被害者が名乗り出て加害国である日本政府に事実の認知と被害回復措置を求め続けているにもかかわらず、被害者を侮辱する発言を容認している日本政府の態度は、国内外で深い憂慮と関心を集めています。1990年代に名乗り出ることができた被害者の多くはすでに亡くなられ、高齢の被害者に残された時間は限られています。今、決断し、解決へと一歩踏み出すことが、日韓関係だけでなくアジアと世界における平和構築に向けての日本政府のメッセージになります。
私たち日本軍「慰安婦」問題解決全国行動は、2014年6月に8カ国の被害者とその支援者がともに「日本政府への提言―日本軍「慰安婦」問題解決のために」をまとめ、政府に提出しました。そこでは、なぜ日本政府のこれまでの談話が「謝罪」として受けとめられてこなかったかについて、はっきりと理由が述べられています。それは、日本政府および軍が、軍の施設として「慰安所」を立案・設置し管理・統制したという事実とその責任を日本政府が曖昧さのない明確な表現で認めるという、当たり前の行為が伴ってこなかったからでした。そして、賠償、真相究明、教育や否定発言への反駁といった再発防止のための後続措置が伴って初めて、謝罪が真摯なものであるとして被害者に受け入れられることができる―「慰安婦」問題解決にいたる道を提言は明確に示しているのです。
「和解」とは、被害当事者が受け入れられる解決策が示された時にはじめて、その第一歩を踏み出すことができる長い道のりです。日韓両政府はこれ以上解決を遅らせることなく、真摯に被害者の声に向き合って解決への道を切り拓くことを強く要求します。
2015年10月30日
共同代表 梁澄子 渡辺美奈