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3.21NHK問題講演会報告

 3月21日午後、元NHKディレクター池田恵理子さんをお招きして、ドーンセンター1階パフォーマンススペースで開いた集会「~NHK問題は終っていない!~日本軍「慰安婦」問題をメディアはどう伝えてきたか」には、同時間帯に他の催しも多い中で、100名の皆さんがご参加くださいました。関西ネット主催の集会には初めて参加されたのではと思われる方々が多く、NHK問題への関心の高さがうかがえました。
 池田さんは、時間不足になって予定したことを話しきれなくても大丈夫なようにと、文章の形のレジメをご用意くださり、それを読むだけでも得るものが多いのですが、当日のお話はさらに充実した内容で、1時間の講演、35分間の質疑があっという間に過ぎてしまいました。
 最初に、池田さんが1997年に創設した女性映像集団「ビデオ塾」制作のDVD「大娘たちの戦争は終わらない~中国山西省・黄土の村の性暴力」から、南二僕さんご家族と万愛花さんの証言場面を上映。続く講演で、池田さんが、被害女性たちが亡くなっても、遺族が必ず思いを受け継いでいくと語られたのが印象的でした。また、講演冒頭の「全体主義政権は報道と教育をおさえるところから始まる」「政権はNHKと朝日新聞をおさえれば報道はOKと考えたのではないか」という指摘には、去年1年間の出来事の意味が見事に表現されているようで、今の状況の深刻さを考えずにはいられませんでした。
 池田さんは、ウーマンリブ運動に関心を持つ者として、NHKのそれに関する報道が上から目線なのに疑問を持ち、NHKを変えようという決意で中に入り、そして、女性の体のこと、戦争のことをちゃんと番組で取り上げたいと考え続けてこられたそうです。また、「もっとも苦しんでいる人々のために報道するのがメディアの役割」とも言われました。そんな池田さんが「慰安婦」問題番組を作ろうとされたのは当然のことですよね。
 1995年・1996年の2年間に「ETV特集」などで7本の「慰安婦」番組を制作。その時期のNHK内部では「慰安婦」問題番組は歓迎されていたそうです。しかし、バックラッシュがおこる中、1996年8月放映を目指して企画した「慰安婦」特集の制作に携わる過程で、池田さんはNHKエンタープライズに出向させられてしまいます。(その経過は、池田さん・戸崎賢二さん・永田浩三さん共著、アケビ書房刊「NHKが危ない!」に詳しく書かれています。)この番組をなんとか放映にこぎつけさせるため、池田さんは制作に関わることを断念。そして、後を託した人たちの手で仕上げられ、4ヶ月遅れの12月に放映された「慰安婦」特集は、大変骨太の良い番組になったそうです。
 しかし、NHK制作の「慰安婦」番組は、これが最後になってしまいました。それ以後も、市民活動として、「慰安婦」被害者や元日本兵の証言記録を撮り続けた池田さん。「その志を私たちも共有していかねばならない、この酷い社会状況だからこそなおさらに」と、集会を盛況のうちに終えて、改めて決意を固めています。(たな)
池田さん
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3月4日第102回大阪駅前水曜集会

日没と共に、3月とは思えないような冷たい風が吹き始め、とても寒い夜になりましたが、ヨドバシカメラ前西南角では、55人の参加のもと、ペットボトルを使った鳴り物も新しく登場し、歌・踊り・アピールと、熱気あふれたデモンストレーションを行うことができました。
 経過報告では、安倍政権が「慰安婦」問題を取り上げた米国の教科書にまで文句をつけたことなどを紹介し、国際基準をかけ離れた政権の考えをただすのは私たち市民にしかできないと訴えました。続いて、2月に吹田市で開催された右派の歴史歪曲パネル展に関して、市民の方から、日頃それぞれに違う分野で運動している地元市民が結集し、行政に粘り強く働きかけて、不十分とはいえ、一枚のパネルを外させ、一枚を部分修正させた取り組みの報告がありました。さらに、沖縄反基地闘争に仲間を派遣している労働組合の方は、その仲間から届いた「沖縄とヨドバシカメラ前を結んで共に闘おう」とのメッセージを紹介し、沖縄の経済は決して基地に依存しておらず、自然と伝統こそが人々の暮らしを支えていることなどを、具体的な数字をあげて明らかにしました。また、「日の丸・君が代」強制反対・大阪ネットワークの方は、中原教育長の競争主義によるエセ「改革」に異議を唱えた府教委職員が人権侵害に遭ったという中原パワハラ問題の内実を明らかにし、違法行為を認定された教育長は絶対に辞めさせなければならないと訴えました。若者アピールでは、日本人「慰安婦」のケースは、アジア諸国の女性達と違い国際法違反ではないかもしれない、しかし、女性に対する重大な人権侵害にほかならないと、「慰安婦」問題の本質に関する訴えがなされました。
2月にも現れた、意味不明の騒音をまき散らしながらヨドバシカメラの周りをぐるぐる回って集会を妨害しようとする車が今回も登場。それと呼応してかどうか、アピールに文句をつけようとする人物も2人ほど現れたものの、それらのことはかえって参加者の結束力を高めたように思われます。ビラを受け取って、読みながら歩いた後、引き返してきて「がんばってください」とカンパを渡してくださった通行人の方もいて、本当に励まされました。
共にここにある喜びを感じながら、元気にシュプレヒコールの声をあげて最後を締めくくりました。
水曜デモ

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わたしたちは日本軍「慰安婦」問題解決のため、関西を中心に活動しています。

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