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【追悼】イ・ヒョスンハルモニ逝去

韓国挺対協より、訃報が届きました。
安倍政権の歴史認識を問い、戦争への道を歩ませないことによって、亡くなられたハルモニの無念に報いたいと思います。(だい)


皆さま
24日に第13回アジア連帯会議を成功裏に終え
日本政府に法的責任をただし
今年こそ日本軍「慰安婦」問題解決をむかえることができるよう
スタートをきった矢先に
またひとりの被害者の訃報をお伝えすることになりました。

5月27日午後7時50分にイ・ヒョスンハルモニが享年91歳で亡くなられました。
1925年慶南ウィリョン郡で生まれたハルモニは
17歳ごろ突然家に入ってきた日本兵2人に連行されました。
釜山・日本を経て台湾・中国・シンガポール・ベトナムで約3年間日本軍「慰安婦」生活を強いられ
言うことを聞かないと拷問をうけるなどの苦痛を被りました。
解放後、釜山を経て馬山へもどりましたが
家に帰ることはできず
母が亡くなったという知らせにも家には帰ることができませんでした。

イ・ヒョスンハルモニが亡くなり
日本軍「慰安婦」生存者は52名になりました。
ハルモニが逝く道が寂しくないよう冥福をお祈りください。
一日も早く日本軍「慰安婦」問題が解決され
ハルモニが少しでも安らかに眠ることができるよう願います。

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【アジア連帯会議3日目】決議採択

昨日の報告を受けて、決議と行動計画を議論し、採択しました。
今回の決議・行動計画は、昨年決定した「日本政府への提言」を改めて確認し、日本政府にこれを受け入れさせるために世界中でどう行動していくのかを決めたものです。
また今年は戦後70年です。安倍政権の侵略戦争と植民地支配の責任と謝罪を回避した談話を出そうという意図に対して世界で連帯して反対していこうと決めました。

決議文を採択した後、参加者がそれぞれの思いを書いたボードを集めて大きな蝶を作るというイベントを行いました。なかなか凝っていて、しかも美しく、心に残る催しとなりました。

そして閉会後、被害者たちと一緒に日本大使館に決議文を提出に行きました。大使館は韓国の警官に二重に守られ、しかも事前に届け出のあった少数の人しか中に入れないという対応でした。
私は中には入れませんが、入った人から話を聴くと、概ね穏やかな感じで話は進んだそうです。お穏やかに話が進んだからといって、相手が話を心で受け止めているとは限りませんが。
李容洙ハルモニは、訪米時の安倍発言に対する怒りをぶつけ、対応した参事に対し「大使を呼んできなさい」と要求していたそうです。
ロラ・エステリータは「謝罪と賠償を今こそ実現して欲しい。お金が欲しいわけではない。私が死んだら、謝罪と賠償を受け取れず先に亡くなった仲間たちと天国で会って、分かち合う」とおっしゃっていました。
ロラ・フェデンシアは、日本軍に自分の祖母を殺された過去を切々と語りました。
対応していた参事は丁寧に被害者の話を聞き、受け取った決議については本国にも伝えるとおっしゃっていたそうですが、私たちの運動抜きに日本政府が「提言」を受け入れるとはとても思えません。私たちの運動の力で、日本政府に「提言」を受け入れさせるしかないのです。
戦後70年、安倍談話に結実されるであろう安倍政権の歴史歪曲のたくらみにどう抗し、歴史の事実を認めたがらない安倍政権に対しどう「提言」を受け入れさせるか……忙しい夏になりそうです。

(だい)



第13回日本軍「慰安婦」問題解決のためのアジア連帯会議決議および活動計画

第2次世界大戦終戦70年を迎えた2015年、私たちは5月21日から24日までソウルで「戦後70年、私たちは日本軍「慰安婦」問題解決へ向かう」というテーマで第13回日本軍「慰安婦」問題解決のためのアジア連帯会議を開催した。フィリピンのサバイバーであるエステリータ・バスパーニョ・ディさん、フェデンシア・ダビッドさん、韓国のサバイバーの金福童さん、吉元玉さん、李容洙さん、そして日本の敗戦後中国で暮らしてきた韓国人サバイバーの河床淑さんが参加した。また、東ティモール、フィリピン、台湾、中国、日本、アメリカ、大韓民国から活動家が参加し、オランダ、カナダ、ドイツそして朝鮮民主主義人民共和国が書面報告で参加した。
私たちは今回の会議で1992年から始まったアジア連帯行動の成果と未完の課題を共有し戦後70年にいたるまで、日本軍「慰安婦」問題の解決を回避してきた日本政府の責任を厳重に問いただし、より実践的な行動目標を樹立して問題を解決するという意志を再確認した。
私たちは、日本軍「慰安婦」および侵略戦争と植民地支配に対する責任を否認し、軍国主義復活を露骨に推し進め、より一層アジアを葛藤と対立に追いやっている日本政府の平和に反する行動に厳重な警告を送り、これを速やかにやめさせることを確認した。これとともに被害国政府にも被害者の人権を回復し平和を定着させるための責任を尽くすことを求めていく。また、充分な戦後清算もできていない日本を再び戦争のできる国にすることで、東北アジアの平和を脅かしている日米軍事同盟等を強く糾弾する。
また、私たちは昨年東京で開かれた第12回アジア連帯会議で採択した「日本政府への提言」が一人でも多くの被害者が生きているうちに、被害者の権利と要求に応える問題解決がなされるよう提示された「最も優先される実現可能な解決案」であることを再度確認し、日本軍「慰安婦」問題に対する日本政府の国家責任と反人道的で不法な犯罪行為による法的責任の内容を具体化したものであることを強調する。
よって、われわれは日本政府に対し改めて要求する。

1.日本政府は第12回日本軍「慰安婦」問題解決アジア連帯会議で採択された日本政府への提言を即時履行せよ。
1)次のような事実とその責任を認めること
① 日本政府および軍が軍の施設として「慰安所」を立案・設置し管理・統制したこと
② 女性たちが本人たちの意に反して、「慰安婦・性奴隷」にされ、「慰安所」等において強制的な状況の下におかれたこと
③ 日本軍の性暴力に遭った植民地、占領地、日本の女性たちの被害にはそれぞれに異なる態様があり、かつ被害が甚大であったこと、そして現在もその被害が続いているということ
④ 当時の様々な国内法・国際法に違反する重大な人権侵害であったこと
2)次のような被害回復措置をとること
① 翻すことのできない明確で公式な方法で謝罪すること
② 謝罪の証として被害者に賠償すること
③ 真相究明:日本政府保有資料の全面公開
国内外でのさらなる資料調査
国内外の被害者および関係者へのヒヤリング
④ 再発防止措置:義務教育課程の教科書への記述を含む学校教育・社会教育の実施
追悼事業の実施
誤った歴史認識に基づく公人の発言の禁止、および同様の発言への明確で公式な反駁等

2.戦後70年、安倍政権は「安倍談話」に河野談話を継承・発展させて、日本軍「慰安婦」犯罪に対する国家責任を明確に述べ、村山談話で表明された侵略と植民地支配による犯罪行為に対する心からの反省と謝罪を述べよ。

われわれは被害国政府に要求する。

1.日本軍「慰安婦」問題解決のための政策的・外交的・司法的措置および可能なすべての手段を用いて被害者の人権を回復せよ。
2.被害者が日本軍「慰安婦」犯罪によって経験している社会的・経済的・心理的・肉体的苦痛を取り除き支援活動を強化せよ。
3.日本軍「慰安婦」の歴史を記憶し、被害者の名誉を回復する措置として真相究明、関連資料の研究と保存、追悼および記念事業、教育活動を実施せよ。
4.問題解決のため各国政府は日本政府に対し圧力を加え、被害国間の協力を図り強化せよ。

われわれは国際社会に次のように要求する。

1.アメリカをはじめとするかつての連合軍政府は、日本軍「慰安婦」犯罪に対する全資料を全面公開せよ。
2.全ての国家は、日本政府との経済的・軍事的同盟を口実に日本の軍国主義強化と日本軍「慰安婦」犯罪否認行為を煽ったり容認したりすることを中断せよ。
3.アメリカ、カナダ、オランダ、欧州連合、台湾、韓国など日本軍「慰安婦」決議を採択したすべての議会は、日本政府が決議の要求事項を履行するよう求めよ。
4.国連をはじめとする国際機関は、これまでに採択された日本軍「慰安婦」関連決議と勧告を日本政府が履行するよう強く要求し、日本軍「慰安婦」被害者の苦痛を持続させている日本政府と公人の犯罪否認、名誉毀損について監視し制裁せよ。特に国連は国連内人権機関の報告書で究明された重大な人権蹂躙犯罪である日本軍「慰安婦」問題について、国連次元の真相調査を実施せよ。

このために私たちは次のとおり行動することを決議する。

1.日本政府が「提言」を履行し戦後70年談話に日本軍「慰安婦」問題に対する明らかな謝罪と反省を盛り込むよう、各国の日本大使館に「提言」と本決議文を提出し、提言と決議文が実現されるよう連帯行動を強化する。
2.北京会議20周年を迎え、世界の女性たちが武力紛争下の女性への暴力の象徴的な事案として日本軍「慰安婦」問題を採択するよう働きかけ、各国の女性団体および国際女性団体と共に問題解決を求める共同声明を発表する。
3.2013年から挺対協が推進してきた「日本軍『慰安婦』問題解決のための一億人署名運動」を今後、アジア連帯の枠組みで積極的に推進する。
4.8.14日本軍「慰安婦」メモリアル・デーを国連記念日に制定するよう推進し、各国で共同行動をおこない、このような活動を通して各国政府と社会が問題解決に合流するよう働きかける。
5.各国の被害者に対する支援を強化する。
6.各国の歴史教科書に日本軍「慰安婦」問題が記述されるように活動する。

2015年5月23日
第13回日本軍「慰安婦」問題解決のためのアジア連帯会議参加者一同

【アジア連帯会議2日目、其の3】法的解決とはなにか

22日の夕食後、特別セミナーとして、日韓の弁護士2人による「日本政府への提言」についての講演がありました。とても貴重な講演で、また今回のアジア連帯会議の核心的な内容でしたので、少し詳しく報告し、みなさまと共有したいと思います。


大森典子弁護士
「提言」の出発点は野田政権の時だった。民主党
政権下で日本軍「慰安婦」問題の解決に向けた動きが閉塞する中、韓国の憲法裁判所で「韓国政府の日本政府に対する『慰安婦』問題解決に向けた外交努力の不作為が憲法違反」という判決が出て、被害者の思いに寄り添い、なんとか日本政府に認めさせることはできないかと考えたのが、スタートだった。今まで法的責任、法的解決と言ってきたが、実はその内容について具体的に突っ込んが議論はなかった。
日本政府はこれまで「法的に解決済み」と言ってっきた。それは日韓請求権協定第2条第1項に基づくもので、請求権そのものがないものと考えられてきた。実はそれが大変な誤りだったわけです。
それがハッキリしたのが、西松最高裁判決だったわけですが、過去の国会答弁の経緯をたどっても、それは明らかでした。
「法的解決」の実体は、「請求権が消えた」というものではなく、「外交保護権がない」というだけなんです。つまり請求権そのものは制限されていないんです。権利が残っているのであれば、義務も残っているはずです。
国民基金が間違っていたのは、請求権に対して募金で対応したからです。
被害者が求める「法的解決」とは、
(1)加害と被害の事実を具体的に認めること
(2)加害行為について政府が明確に謝罪すること
(3)与えた被害に対して「正義の回復のための義務として」(義務はないが支払うというのではなく)賠償を支払うこと
です。
まずは事実を認めなければ、法的な賠償請求権が
発生しません。そして加害の事実を認めるということは、当時の国内法・国際法に違反していたと認めることでもあります。

金昌禄弁護士
被害者や支援者はこれまで「法的解決」を求めてきたが、最初から「法的解決」を求めていたわけではなく、日本政府が「道義的責任は負うが法的責任は負えない」と強弁したから。
仮に日本政府の主張に沿ったとしても「解決済み」論はおかしい。そもそも
日韓請求権協定は、反人道的な不法行為は対象ではない。そして日韓請求権協定締結の1965年当時には、日本軍「慰安婦」問題は、問題として存在しなかった。「1965年に存在しなかった問題が1965年に解決した」とはナンセンスでしかない。
「法的解決」を実現するために、日本政府はまずは事実の究明と認定をしなければならない。1993年の第2次調査以降全面的に注視されている日本軍「慰安婦」関連資料調査を再開し、それを持続して実施する必要がある。
その事実認定を元に、謝罪と賠償を行わなければならない。
昨年6月2日に、第12回アジア連帯会議にて確認され、日本政府に提出された「提言」は、「法的解決」の核心的な内容である。
この「提言」には責任者処罰は含まれていないが、日本軍「慰安婦」問題の解決は時間との闘いであり、今すぐ実現されなければならない。いわば最小限のガイドラインとしての「提言」であり、責任者処罰が除かれたのは理解できる。
日本軍「慰安婦」問題が提起され四半世紀の歳月が過ぎた。明確な「保的解決」こそが唯一の解決方法であり、今すぐ実現されなければならない。

(だい)








【アジア連帯会議2日目、其の2】各国報告



22日の午後からは、各国の市民団体・活動家から、取り組みの報告がありました。これを詳細に取り上げるといくら文字数を費やしても足りないので、印象的だった発言をひとつずつ紹介します。

ビクトリア・ロペス・フェルナンデス(東ティモール人権協会)
東ティモール政府は日本政府に対して圧力をかけるのではなく「未来志向」と称し、偽善的な態度を取っている。被害者とその家族の要求は「真実の追求」ー被害の認定こそが被害者・家族の確かな人生を保証する。

レチルダ・エクストレマドゥーラ(リラ・ピリピーナ/フィリピン)
「中国の脅威から守るため」と言う理由で日本とフィリピンが軍事的に接近しているが、これは容認できない。フィリピンを慰安所にするのと同じだ。「私たちの国と米帝国主義をなくさない限り、『慰安婦』被害者は私たちが最後とはならないだろう」

康淑華(台湾婦女救援基金会)
馬英九総統は「慰安婦」に対する支持を表明し続け、チェン・タオアマの自宅を訪問し、4月にリーエン・ファアマとチェン・タオアマを昼食会に招いている。
パフォーマンス・アート「One Person One Heart」やドキュメンタリー映画「蘆葦(あし)之歌」の上映活動など様々な芸術活動を行い、博物館の開館を予定し、若い世代に事実を伝える活動に傾注している。

蘇智良(上海師範大学「慰安婦」研究センター/中国)
吉林省で新たに史料が発見され、注目を集めているが、これらの世界記録遺産登録を申請している。朴永心ハルモニがいた慰安所を歴史館にし保存している。中国にも少女像を計画している。
極東国際軍事裁判所で完遂できなかった任務を、ハーグ国際司法裁判所で完遂して欲しい。

康健弁護士(中国)
安倍首相の「人身売買」発言は歴史歪曲。強制連行が事実であることは様々な資料で証明されている。現在各国で所有している資料を整理し、各国の国連代表に配布、宣伝しなければならない。

西村寿美子(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動/日本)
安倍政権の歴史認識を問い、日本軍「慰安婦」問題を解決させるために、行動を行う。
・安倍談話が出されたときには、日本の各市民団体共同で声明を出す。
・安倍政権のメディア規制に抗して、メディアへのレクチャーを行う。
・8・14メモリアルデーに共同アピールを発出する。
・「提言」」の具体化のために、提言パンフと資料集を用いて議員をレクチャーする。

ペ・ウェスク(韓国挺身隊問題対策協議会)
これまでの韓国国内での運動の成果や現状を足早に紹介。

チ・ヨンジュ(女性ホットライン/アメリカ)
アメリカで草の根の運動が広まっている。特に韓国人密集地域では、日本軍「慰安婦」問題は結集軸のひとつである。「慰安婦」問題は平和運動であり人権運動。国際連帯を強めていこう。

ユン・バンスン(セントラルワシントン大学/アメリカ)
米マクロヒル社の歴史教科書に対して日本から修正要求が出されたことが、「慰安婦」問題と日本の歴史修正主義に人々を注目させるきっかけになった。安倍訪米に合わせて発表された歴史修正主義を批判する公開書簡は、187人だったものが、今週には500人を超えた。署名者のほとんどが日本学者であり、著名な学者も署名しており、日本政府に影響を与えるだろう。ただ加害国と被害国を同列に扱っている点が、私には容れられない。なぜ被害国が民族主義・国家主義になるのかのアプローチがない。

(だい)

【アジア連帯会議2日目、其の1】被害者の証言、基調提起



22日朝、たくさんのマスコミが注目する中、ユン・ミヒャン挺対協代表の挨拶で会議は始まりました。
「被害者が名乗り出て長い月日が経った。『私たちの戦争は終わっていない』と言っていたハルモニたちの戦争は、20経っても終わらないまま、戦後70年を迎えることになった。今回の会議を「戦後70年、私たちは日本軍「慰安婦」問題の解決に向かう」と銘打ったが、それは、今年は何が何でも解決させなければならないという強い意思の表れだ。」

そして引き続き、6人の被害者の方のお話しがありました。
ロラ・エステリータは70年前に起きた自らの被害を証言され、「私は強制性を示す生き証人。安倍首相は嘘つきだ。安倍首相は国家としての責任を認めるべき」とおっしゃいました。
河床淑ハルモニは、中国に取り残されたハルモニです。「50人ほどが戦後とり残されたが、みな死んでしまった。生きているのは2人だけ」と無念をにじませました。
吉元玉ハルモニは「みなさんに感謝したい」と一言だけ述べられ、マイクを譲りました。
李容洙ハルモニは安倍首相訪米に合わせて訪米しときに聴いた米上下院での演説に触れ、「私たちの問題に一切触れなかった」と怒りをあらわにしました。そして「私は200歳まで生きて、この闘いに勝ちたい」と述べられました。
金福童ハルモニは、「天皇が行った悪いことでも、今の人たちが清算しなければならない。日本は戦争犯罪国家。なのに70年経った今、また悪いことをしようとしている」と危機感をあらわにしました。
ロラ・フェデンシアは、「これまで日本で4回、南ア、カナダ、北京などで証言してきた。日本での裁判闘争も7番目の原告として闘ってきた。フィリピンの大統領が私たちのことを支持しないのを残念に思う」と悔しさをにじませました。それはフィリピン政府を金で買収しようとする日本政府への苛立ちでもあります。


その次に、基調講演がありました。
まずは日本から、梁澄子さん(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表)から、日本の運動の提起がありました。
第12回アジア連帯会議で採択された日本政府への「提言」を無視し続けている日本政府の態度を批判しました。
また安倍首相の「人身売買」発言は被害者を愚弄するものでありながらも、日本軍「慰安婦」制度が当時の国際法に違反していること、それが仮に民間業者の犯罪だったとしても国家に責任があるというのが国際法での常識であり、安倍政権にこのことを認めさせることによって、このような被害者を傷つける発言を繰り返すことをやめさせなければならないという提起がされました。

ユン・ミヒャンさんは梁澄子さんの発言を受ける形で基調提起されました。
1、日本政府に「提言」を受け入れさせるために
(1)日本政府に「提言」を受け入れさせるための国際的なネットワークを作る。
(2)国連レベルで真相調査をさせる。
(3)米国をはじめ決議8周年のフォローアップをさせるような世論を作り上げる。
2、安倍政権や右派勢力の否定活動に対し、「否定的な活動」として対応するのではなく「肯定的活動」として対応する。正面から反駁するのではなく、主張や要求の正当性や真実を積極的に知らせる。
3、被害者の活動を肯定的に評価市広めることによって、安倍政権や右派の名誉毀損に対抗する。

基調提起は、前回のアジア連帯会議で採択し日本政府に提出した「日本政府への提言」をどう実現させるかが、強く前に打ち出されました。

それで午前が終了。午後からの各国報告へと続くのです。
(だい)

【アジア連帯会議1日目】レセプション

5月21日から3日間、韓国ソウルにて、「第13回 日本軍「慰安婦」問題解決のためのアジア連帯会議」が開催されます。この会議は1993年から断続的に開催されてきた、世界中の日本軍「慰安婦」被害者と活動家が一堂に会して問題解決のためについて話し合う国際会議です。



初日の今日は、夕方からレセプションでした。
会場は、なんと!国会議事堂に併設するレセプション施設です。最初の挨拶が国会議長。2人目のの挨拶が、女性家族委員会委員長。与野党の国会議員も何人か参加しています。
豪華すぎてびっくりしました。これまでも韓国で開催されるアジア連帯会議に参加したことはありましたが、こんなことは初めてです。レセプションそのものが、日本軍「慰安婦」問題の関心の高さを国際社会に対して表明する、いわば示威行動のようでした。
国会議長も女性家族委員会委員長も、安倍首相の「人身売買」発言を強く批判しました。ある与党議員は「『慰安婦』問題に与党も野党もない」とアピールしていました。韓国社会での「慰安婦」問題への関心の高さと、安倍首相に対する怒りが伝わってきました。それは過去の歴史を直視せず謝罪もしない、元植民地宗主国
の姿勢に対する怒りであると私は感じました。

各国の被害女性が参加されました。明日以降の会議で発言されることもあるでしょうから詳細は述べませんが、被害者の高齢化には、見ていて辛いものがありました。
国際社会はこの問題にこれほど注目しているのに、いまだに謝罪と補償を被害者に届けられないばかりか、安倍首相はこんなに高齢な被害者に対して傷つける発言をしてやまないのです。

明日以降の会議の中で、私たちの到達点と今後の運動についてしっかりと議論し、戦後70年の夏に向けてしっかりと安倍首相を追い詰めていきたいと、決意を新たにしました。
(だい)


【追悼】葉美女阿媽

5月2日、台湾の阿媽の葉美女さんが亡くなりました。
享年90歳でした。

以下、婦援会からのお知らせです。



【また、一人の阿嬤が・・・】

大変悲しいことに、婦援会が現在お世話している5人の阿嬤のなかから、また一人、「美女阿嬤」が、先週の土曜日5月2日に亡くなりました。享年90歳。

美女阿嬤は第二次大戦中、家計を助けようと海外での食堂の仕事に応募しました。騙されてインドネシアで日本軍の「慰安婦」にさせられるなんて、思いもしませんでした。それも4年の長きにわたって。



晩年、阿嬤は中風になって、長いあいだ痛みと格闘していました。今年の春節前、美女阿嬤は肺炎になり入院しましたが、そのとき不整脈と診断されたのです。入院中、阿嬤の精神状態は良くなく、身体の機能は急激に低下し、今年の3月初めに集中治療室に入り、最後はついに病魔に勝つことはできず、先週の土曜日にこの世を去りました。

美女阿嬤の逝去に、婦援会は深い悲しみに包まれました。それでも阿嬤が長いあいだ私たちに与えてくれた貴重な時間に感激し、阿嬤がこれ以上病気に苦しまないようにと祈っています。美女阿嬤、生命を愛し、大切にした勇者、私たちは永遠にあなたを忘れません。

美女阿嬤が亡くなって、いま、台湾でわかっている阿嬤はわずか4名、平均年齢90歳、いつになったら日本政府が謝罪するのか、依然として未知のままです。

第104回大阪駅前水曜デモ報告

GW最終日の5月6日、私たちはいつものように大阪駅前の街頭に立ち、水曜デモを行いました。今日の水曜デモは、みんなでお腹に空気をため、わあと大きな声をあげる「平和の歓声」で始まりました。
まず関西ネットから、この間の報告として、東京で開催された院内集会シンポジウムの報告がありました。昨年日本政府に提出した「提言」の大事さを改めて確認しました。(詳細は当ブログで報告しているので、ぜひお読みください。)そして安倍首相訪米のとき、「慰安婦」問題に全く触れないばかりか、国家の責任を回避するような「人身売買」発言をしたことに対して、きびしく批判しました。

ピースおおさかの展示リニューアル(改悪)について、ずっとこの問題を取り組み抗議行動を行っている市民団体からアピールがありました。ピースおおさかから加害展示が消えたことを批判し、「彼らは自虐的というが、彼らのほうが臆病なのではないか」と批判しました。

辺野古新基地建設に対して、数ヶ月辺野古で闘ってこられた方から、現地の報告がありました。

茨木市議会議院の山下けいきさんから、茨木市長の「慰安婦」発言に対する批判と、都構想を絶対食い止めようという決意表明がありました。

また、戦後70年を期に東アジアの市民宣言を出そうという運動について紹介し、5月11日の集会に参加してほしいと訴えました。

いつものように歌あり踊りありの、楽しい水曜集会でした。
次回は6月3日の水曜日です。ヨドバシカメラ前でお会いしましょう!
(だい)

プロフィール

日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

Author:日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク
わたしたちは日本軍「慰安婦」問題解決のため、関西を中心に活動しています。

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