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関西ネット主催 韓国スタディツアー  ソウル「ろうそく集会」参加とナヌムの家訪問ツアー

今年8月、5回目となる8・14日本軍「慰安婦」メモリアル・デーの講演で尹美香挺対協/正義記憶財団代表は、韓国社会のハルモニたちへの偏見をなくすために、100万人市民に呼びかけて募金を集め、11月25日の国連女性暴力撤廃デーに被害者の尊厳回復のための事業を行うと発表した。 
関西ネットはこれに参加しようと早速韓国訪問ツアーを企画した。 11月25日、正義記憶財団主催「私たちの手で解放を!」では日本政府からの10億円を拒否しているハルモニたちを中心に、金福童さん、吉元玉さん、李玉善さん、安チョムスンさん、そして宋神道さん(代理受賞)の5名に女性人権賞が授与され、副賞として1億ウォンが伝達された。受賞後、代表してあいさつに立った金福童ハルモニは「(お金は)みなさんのおかげで、金福童の名前で蝶のように飛んで行きます」と謝意を述べ、さらに、日本政府に公式謝罪と法的賠償を求め、韓国政府には「和解癒し財団」の早期解散を要求した。 
翌26日はナヌムの家を訪問し、オープンしたばかりの「追悼館」「遺品館」を見学、また、「平和の碑」の制作者である金ソギョンさん、金ウンソンさんのアトリエを訪問し、お話をうかがうことができた。 
挺対協の協力を得ながら企画した2泊3日のツアーには20余名が参加、ツアーを通して今後の課題が見えてきた。

詳細はサイトまで



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国際社会の声とかけ離れる日本の今 ~日本軍性奴隷問題から見る~ 渡辺美奈さん(wam事務局長)講演会

《 報告 》





12月17日、国連の人権機関等に対しても情報提供を続けている、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)の渡辺美奈さんからお話を聞きました。
渡辺さんの講演内容の一部を報告します。 




ユネスコ「世界日記憶」登録をめぐって 

2016年5月、日本軍「慰安婦」の記録をユネスコ「世界の記憶」に登録するため、韓国、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、オランダ、東ティモール、日本の8カ国の民間団体と大英帝国戦争博物館が共同申請を行いました。wamもこの8カ国の国際連帯委員会に参加しています。それに対して、否定主義者たちも登録申請をしており、2017年10月のユネスコ「世界の記憶」プログラム国際諮問委員会は両方の申請者に対して関係者間で対話をするよう勧告を出しました。
ユネスコ「世界の記憶」は、本来、市民が申請することができ、「記録物」を人類の重要な遺産と認めた時、適切に保管し、誰もがアクセスできるようにすることを目的とし、歴史観とは関係なく認められるものです。今回申請された「『慰安婦』の声」は2700点もの資料が含まれており、「記憶」するに値する貴重なものであったにも関わらず、このような結果になったのは、日本政府が分担金の不払いや、加害国側から異議申し立てできるようにルールを変更させようと圧力をかけていたことが大きく影響しているようです。登録が延期され、このような勧告になった経緯について、必ず明らかにされなければなりません。 ユネスコ「世界の記憶」として登録されることは、被害者の被害回復措置のひとつとなり、戦時性暴力の記憶が世界的に認められる先例になるでしょう。


海外の市民運動との連携 

「慰安婦」問題と関連した国際社会の動きとして、関西ネットから、この間のサンフランシスコ市(SF市)が設置した「慰安婦」記念碑に対する吉村大阪市長の対応と、姉妹都市解消に至るまでの経過について報告しました。
記念碑の設置にあたりSF市民団体「『慰安婦』正義連盟」(CWJC)から関西ネットに支援の依頼が来て、それに応えるべく、SF市議やリー市長宛ての要望書に賛同やメッセージを集めて送り、また、吉村市長への抗議行動にSFからメッセージが届くなど、海外の運動団体との連携モデルにもなりました。 




国連人権理事会(UPR)日本審査と勧告 

2017年10月、国連人権機理事会の第28回普遍的定期審査(UPR)作業部会行われました。
これは、国が人権状況を審査し、指摘するもので、今回日本政府は196カ国のうちの106カ国から日本の人権問題について指摘され、「慰安婦」問題については、韓国、朝鮮民主主義共和国、中国の3カ国が言及し勧告しました。日本政府はこれまでも3回勧告をうけていますが、1度も勧告を受け入れるとは言っていません。
韓国は発言の中で「日韓合意」について、多くの被害者と市民社会は「合意」は不十分だと考えていると、国際社会に向かって伝えたことは重要です。 
一方、韓国政府は「日韓合意」の交渉過程や合意内容を検証するためTF(タスクホース)チームを立ち上げ、間もなく結果が発表される予定ですが、チームのメンバーにこれまでこの問題に取り組んで来た人が選ばれていないことに不安も感じています。 


【抗議行動報告】 勝手に姉妹都市解消宣言⁉ 歴史と女性の人権否定するな! 「慰安婦」像の何があかんの?吉村市長

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 12月7日18時、吉村大阪市長に抗議するスタンディングを大阪市役所前で行いました。すでにマスメディアからも報道されている通り、サンフランシスコ市(以下SF市)が日本軍「慰安婦」のモニュメントを市有化したことを機に、姉妹都市提携を解消しようとしています。大阪市は橋下前市長の時から「慰安婦」モニュメントをめぐって執拗にSF市に対して抗議を続けてきていますが、大阪市長の主張は「日本政府の見解と違う」「日韓合意違反」などいうものであり、まともな歴史認識や人権感覚を持っている人なら恥ずかしくて口にするのもはばかられる内容です。また安倍首相もSF市長に圧力をかけていることを公言しており、「大阪市や日本政府は極右であり人権感覚が欠如している」と国際的にも孤立するばかりです。(詳細については抗議文をお読みください。)

 スタンディング行動に先立つ17時、40人の仲間とともに大阪市長に赴き、抗議を申し入れました。
 そしてスタンディング行動では100人ほどの人が路上に集まり、一人ひとりが黄色いペンライトを手に抗議の声を上げ、道行く人に訴えました。

 まず最初に、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークからこの間の経過と抗議文の申し入れについて報告しました。続いて、おんな・こどもをなめんなよ!の会から大阪市長に申し入れた抗議文を読み上げ、そして次に日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークからSF市民たちで結成された「慰安婦」正義連帯の声明を読み上げました。
 そして以下のように、賛同団体から次々と力強いアピールがありました。


女性問題研究会
「大阪市民から姉妹都市を解除してほしいなんて声は出ていない。もっともっと市民が声を上げよう!」

日本軍「慰安婦」問題早期解決をめざす大阪の会
「教育現場では子どもたちに国際理解を求めるよう言っているのに、肝心の大阪市長がそれに逆行するようなことをしてどうするのか」

性暴力を許さない女の会
「吉村市長は女性の人権を大切にしない街として大阪市を国際社会で有名にした。大阪市や日本の評判を地に落とした吉村市長は、ひょっとして反日? 日本を貶めるような反日行為は許さへんで!」

セクシャルハラスメントと斗う労働組合ぱあぱる
「日本は性暴力に甘い国。それは過去の日本軍『慰安婦』問題に向き合っていないから。女性が性暴力を訴えやすくら加害者が処罰される社会を築きましょう」

OPEN(平和と平等を拓く女たちの絆)
「サンフランシスコの像は朝鮮半島・中国・フィリピンの少女3人が手を繋いでいる。この像の何が問題なのか?サンフランシスコ市民の思いがこもっている。この中之島公園にこの像があってもいいんじゃないのか?」

新日本婦人の会
「私たちが歴史と向き合えるのかどうか問われている。万博カジノは許せないが、国際都市を目指すと言うなら歴史と向き合うべき」

 そして市役所の周りをぐるりと歩きながら全員でシュプレヒコールを挙げ、吉村市長に怒りを届けました。
 私たちは女性の人権を否定し、歴史を否定する吉村市長を絶対に許しません!

吉村市長!勝手に姉妹都市解消するな!
サンフランシスコ市長に対する圧力の恥を知れ!
吉村市長はこれ以上「慰安婦」被害者たちの尊厳を傷つけるな!
「慰安婦」問題の歴史否定を許さないぞ!
女性の人権、無視するな!
吉村市長は大阪市民の声に向き合え!

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「慰安婦」正義連盟の声明

「慰安婦」正義連盟 声明 2017.12.7
 
 
「慰安婦」記念碑に対し寄せられた反対意見への返答
 
 私たちサンフランシスコの「慰安婦」正義連盟は、国境を越え多民族に亘る 個人及び団体によって構成されています。私たちは、国際的に広がる日本軍「慰安婦」問題正義運動の一員であり、「慰安婦」のサバイバーらの力強いリーダーシップのもとで誇りを持って活動しています。2017 年、私たちは、1930 年代初頭から 1945 年にかけて日本軍によって性奴隷にされた何十万人もの女性や少女たちについて記憶し、啓発する目的で、「慰安婦:力の柱」という名の記念碑を、サンフランシスコ市に完成させました。これは、同様の暴虐を二度と繰り返させないという私たちの決意を象徴しています。また、性暴力・性的人身売買の犠牲となった全ての方々に敬意を表し、記憶する証しでもあります。
 
1. 吉村大阪市長 によるサンフランシスコ市と大阪市の姉妹都市解消
 
 先月、サンフランシスコ市議会は全会一致で「慰安婦」正義連盟による「慰安婦」記念碑の市への寄贈を受け入れました。これを受け、吉村大阪市長は、もしエドウィン・リー・サンフランシスコ市長 がこの議会の決議を支持し、記念碑の寄贈を受け入れるなら大阪とサンフランシスコの姉妹都市を解消すると公言しました。しかし、リー市長は議会の決議を全面的に支持したため、吉村市長によるこの脅しは裏目にでることとなりました。
 吉村市長の派手な政治的スタンドプレーはあまりにもお粗末で、期せずして全ての歴史修正主義者たちに予期せぬ教訓を与える羽目となりました。それは、今なすべきことは「ハルモニ、アマ、ロラ」等と親しみと敬意を込めて呼ぶサバイバーたちの尊厳を貶めることではなく、彼女らの声に耳を傾け、学ぶべきだという教訓です。国連の女子差別撤廃委員会も、2015 年のいわゆる日韓「合意」が当事者を中心に据えるアプローチに欠くと厳しく批判し、日本政府に対しハルモニから学ぶことを喚起しています。
 ハルモニたちは自らの沈黙を破ることによって、戦時下の性暴力は人道に対する罪であると宣言する運動の立ちあげに貢献しました。この運動は 戦争の手段としての性奴隷制を廃絶するため、世界の人々を教育する役割も果たしています。
 奇しくも現在、世界各地で、権力の座にある男性による性暴力の長い歴史とそれを看過してきた文化的背景について女性たちが声を上げています。私たちは女性の告発に耳を傾ける男性と、逆に耳を閉ざして事実そのものを否定しようとする男性とに分かれるのを目の当たりにしています。「慰安婦」記念碑も、多くの形の性暴力が現在まで続いていることを啓発する目的で建てられました。その記念碑に対して、吉村市長と安倍首相は 不信の念を表明し、撤去しようとしています。女性の権利は人権であることは常識であり、私たちは吉村市長と安倍首相の企てを決して許しません。
 2025 年開催の世界万博の目標は、「協力と希望の精神にのっとり、市民が他国についてまた将来的な可能性に関して理解を深めるのを助け、進歩を促進し、協力関係を育むこと」です。吉村市長は主催をめざしていますが、吉村市長の 記念碑建設反対、姉妹都市解消宣言と女性の人権への無理解は、万博のどの目標にも真っ向から反するものです。
 吉村市長の決断に関わらず、「慰安婦」正義連盟は、性奴隷制度からの自由と正義を全ての女性と少女に実現することを活動理念とし、同じ理念を掲げる日本の仲間とともに活動を続けることを願っています。
 
2. 「慰安婦」記念碑の理念
 
 私たちは、世界中に平和が訪れることを願い、正義と人権を守るために「慰安婦」記念碑を建てました。
 この目的を達成するために、私たちは世界中にいる私たちの仲間とともに、日本の指導者たちによる偏狭なナショナリズム、 帝国日本による軍事侵略を賛美、美化する歴史修正主義、人種差別、性差別及び軍事化を批判してきました。国連(の人権関係の諸委員会)も、日本社会に未だ深く根付く人種差別、女性差別などの人権侵害に日本政府が立ち向かうように、 度重なる勧告をしていますが、日本政府は無視し続けています。それどころか偏狭なナショナリズムや人権侵害を正当化するため、犠牲者の訴えや国際法に基づく勧告を「日本叩き」と称して、逆に人権侵害の犠牲者に対する攻撃に転じています。
 
3. 歴史的事実に「二つの解釈」はない。真実は一つ
 
 日本軍「慰安婦」制度は、戦時下日本帝国陸軍と海軍によって行われた性奴隷制度であり、人道に対する罪、戦争犯罪と国際法により認定されています。日本政府にその加害責任があります。しかし日本政府は、帝国主義日本が展開した侵略戦争の歴史には異なる解釈がある
と主張し続けています。日本軍による大規模な性奴隷制度の事実そのものも、解釈によっては正当化できると主張しているのです。例えば、2015 年のいわゆる「合意」は、一方で日本政府の責任を認めながら、犠牲者の要求は一切無視し、強制性も否定しています。吉村市長は、私たちの記念碑の碑文は日本政府の見解に反すると公言し、橋下前大阪市長、在アトランタ日本総領事などは、慰安婦は売春婦で必要悪であったと公言しています。しかし、加害の事実にいくつもの解釈は存在しません。全ての性暴力の犠牲者にとって事実は一つであるのと同様、日本軍性奴隷制度の歴史的事実は一つです。 日本政府にとって、加害責任を取ること以外にこれらの犯罪を償い、真実の平和と和解に至る方法はありません。
 アジア系アメリカ人のコミュニティには、帝国主義日本が侵略戦争中に犯した性奴隷制度や他の残虐行為の犠牲者が家族にいて、今でもトラウマの重荷を抱えて生きている人々が大勢います。日本政府は「二つ目の解釈」を持ち出したり、「慰安婦」制度の犠牲者を記憶する草の根運動を妨害・弾圧することによって、私たちのコミュニティに生来与えられているはずの、歴史を記憶し正義を要求する権利を事実上剥奪していると言えます。
 吉村市長と安倍首相は、戦争中の暴虐や人々に対する犯罪の事実を認めて癒しへと誘うどころか、人類の歴史上最も悲劇的な時代の一つに作られた深い傷の傷口を再び開こうとしているのです。
 サンフランシスコ市は、記念碑を全面的にサポートすることで、日本政府に対して歴史的事実に「二つの解釈」はなく真実は一つと宣言したのです。
 
4. 平和主義コミュニティの連帯
 
 私たち「慰安婦」正義連盟は、大阪はじめ日本各地の友人たちと連帯し、平和の実現をめざします。
 私たちは、エドウィン・リー・サンフランシスコ市長が「慰安婦」問題へのサポートを惜しまず、サンフランシスコ市が性暴力、性的人身売買の根絶を目標に掲げていることを褒め称えたいと思います。
 吉村市長には、「慰安婦」問題の解決を求める運動のみならず、大阪に根付いてきた被差別部落、在日コリアン・朝鮮人、台湾人、及び沖縄ウチナーンチュやアイヌ有志の解放・反差別運動、人権運動から学び、帝国日本による侵略戦争、植民地支配の負の遺産と向き合い過去を清算する事を政策の中心に据える事を求めます。さらには、これらの反差別、人権運動が、障がい者解放運動、セクシャリティー、ジェンダーの多様性をめぐる運動、家父長制の解体を目指す運動と、密接に結びついて展開されてきた歴史からも学ぶ事を求めます。
 吉村市長には、心を開いて謙虚に当事者の話に耳を傾け、女性の人権を尊重するとはどういうことかを、これらの世界に誇る大阪・日本発信の人権運動から学んで欲しいと願っています。そして、私たちとともに手を取り合って、全ての女性や少女の人権が守られる未来をともに築いていただきたい。それが、私たちの心からの願いです。
 
 2017 年 12 月 7 日
 
「慰安婦」正義連盟

【抗議文】 大阪市民が60年間育ててきた姉妹都市関係を独断で解消し、 サンフランシスコ市にわい曲した歴史を押し付けようとする吉村市長に、 市長の資格はありません!

吉村洋文 大阪市長

大阪市民が60年間育ててきた姉妹都市関係を独断で解消し、
サンフランシスコ市にわい曲した歴史を押し付けようとする吉村市長に、
市長の資格はありません!

 サンフランシスコ(以下、SF)市における「慰安婦」記念碑と像の設置は、2015年7月、SF市議会に「『慰安婦』記念碑と像の設置を支持する決議」が市民団体によって提出された時に始まっています。9月、市議会はこれを全会一致で承認しました。そして、今年の11月22日、エドウィン・リー市長は完成した記念碑と像の市への寄贈を受け入れる決議書に署名し、これらは完全に市の所有のものとなりました。この決議書は、直前にSF市議会において全会一致で可決されたものであり、市長として市民の意思を尊重して判断したのは当然のことです。
 ところが、吉村大阪市長は何としてもこのSF市の動きを阻止するため、今年の2月から5回もSF市のリー市長に抗議の書簡を送っています。「日韓合意の精神を傷つけるもの」「碑文は日本批判だ」等と主張しましたが、9月22日に記念碑と像の除幕式が行われると、三回目の書簡から姉妹都市関係解消をチラつかせて、執拗に圧力をかけました。「碑等の市への寄贈を受け入れる決議書をSF市議会が採択するなら、姉妹都市解消を申し入れる」「市議会が採択しても、リー市長は拒否権行使を」等と、まるで脅しともとれるような内容の書簡を送り続けたのです。
 吉村市長がこの問題にこうも執念を燃やす背景に、同じ維新の会の橋下前大阪市長の存在があることを忘れるわけにはいきません。橋下前市長は2012年から「河野談話は最悪」「なんで日本だけが非難されるのか」「『慰安婦』制度が必要なのはだれだってわかる」等と発言し続け、2013年5月にはSF市から視察を拒絶され、同市議会から発言撤回を求める決議を全会一致で採択されました。しかし、一切反省することもなく、この「慰安婦」記念碑と像の設置の決議の審議が2015年の7月に始まると、8月から三度にわたり、「姉妹都市の市長として」等と恥ずかしげもなく、わい曲した歴史を書いた長文の書簡を送って、審議に圧力をかけています。吉村市長は、その後を引き継いでやっているのです。
 日本政府は、このような被害者を貶めるような公人の発言には注意をするようにという勧告を国連の諸委員会から受けても放置してきました。それどころか今回も、安倍首相がこの件で、「遺憾だ」と発言し、吉村市長と同様に、リー市長に拒否権行使の圧力をかけたことを明らかにしています。
 現在、吉村市長はリー市長に面会を拒否され、阻止に失敗したため、ふりかざしていた「姉妹都市関係解消」の手続きを進めています。しかし、今年の5月と9月に、市長与党の大阪維新の会から提出されたこの記念碑と像の再検討をSF市に求める決議を否決した市議会では、市長の独断による姉妹都市解消に批判の声があがっています。交流を続けてきた市民からももちろんのことです。
 吉村市長は冷静に考えるべきです。「慰安婦」記念碑の碑文に「性奴隷にされた数十万の女性と少女」とあるのが不確かで、日本批判だと言うなら、吉村市長は日本政府に対して「日本軍『慰安婦』制度の真相究明を行え!」と要求すべきです。「日本政府は誠実に『慰安婦』問題と向き合い、事実を明らかにするための調査を行い、このように言われることを一日も早く断ち切るべきだ!」と主張すべきです。さらに、記念碑や像を「日本人として許せない」と言っていますが、リー市長は「SF市には、暗い歴史的過去を後世に伝えるため、平和や和解を呼びかけるために公及び民間の記念碑が数多くある」「記念碑で犠牲者に敬意を払い、世界で止むことがない人身取引や子どもの商業的性的搾取問題を啓発することが今回の市民の目的であり、その意図は善意である」と返信の書簡で述べています。日韓政府は2015年12月、「慰安婦」問題の最終的・不可逆的解決に合意しましたが、これではこの問題を解決できないことが明確になっています。今回、SF市と市民は度重なる日本からの政治的圧力に屈することなく、女性の人権推進を願って「慰安婦」記念碑と像の設立を進めてきました。SF市でこの活動への支持が広がっているように、被害者の尊厳回復をめざしながら記憶を継承していこうとする力こそが、このような事態を繰り返さない社会を作っていくことへとつながります。吉村市長は、自分の「許せない」という言葉は平和や人権を尊重しようとするSFの人々に対して投げつけられているということを知るべきです。
 現在、国際社会では、日本軍「慰安婦」問題は国が行った戦時下における女性への重大な性暴力の問題として広く知られています。吉村市長は偏狭で、わい曲された歴史観の過ちに気づき、60年もの間、多くの市民が育んできたSF市との姉妹都市関係を安易に断ち切ることをただちに止めるべきです。

2017年12月7日

日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

第136回大阪駅前水曜集会報告

12月6日、換気が肌を刺すような夜ですが、元気と怒りを胸に、今月も街頭に立ちました。

冒頭、関西ネットから、この間のサンフランシスコ市との姉妹都市関係を解消しようとする吉村大阪市長への抗議活動を報告しました。

吉村市長の強気の姿勢は安倍政権の後押しがあってこそであり、吉村市長の言う「日本政府の見解と違う」という主張のデタラメさについて訴えました。

サンフランシスコ市民の思いを大切にし、性暴力をなくし女性の人権を守るというサンフランシスコ市長に対して、吉村市長の振る舞いは本当に許せません。しっかりと抗議の声を上げていきましょう。

辻元清美衆院議員からは、吉村市長だけでなく、安倍政権もサンフランシスコ市に圧力をかけていることについて、連帯のメッセージがありました。

サンフランシスコ市民からもメッセージがありました。正義と人権は私たちとともにあります!

南京大虐殺60カ年実行委員会からも連帯のアピールがありました。吉村市長の行動は公権力の私物化です!南京の被害者は「私が死んでも娘が証言をする」と仰っておられます。私たちが変わらない限り解決することはありません。

日韓交流スタディツアーに参加された若者からも、「日本ではこの問題を訴えると反日と言われるが、そうではない。ハルモニたちの人権のために闘っている。みなさんもハルモニたちの声に耳を傾け、一緒に解決に向けて働きかけてほしい」と訴えました。

ピースおおさか改悪リニューアル裁判を闘われた原告から「勝ちました!」と力強いアピールがありました。ピースおおさかはリニューアルで戦争の加害と被害が消し去られましたが、そこに松井府知事と橋下元市長の不当な介入があったことが明らかになったのです。

寒空を切り裂くような、「慰安婦」をテーマにした『謝れ』という詩の朗読も行いました。

(報告の最後に詩を載せています。)

最後に参加者50人とともにシュプレヒコールをあげ、「吉村が大阪なのではなく、私たちが大阪なのだ」という気持ちを叫び声に乗せました。

次回137回大阪駅前水曜集会は、新年1月3日正午からヨドバシカメラ前で(いつもと時間が違います)。この日この時間、韓国ソウル日本大使館前でも水曜集会が開催されています。新年をハルモニの気持ちとともに迎えましょう!

***********************

謝れ

作詩 イヴ・エンスラー

共訳 許 玉汝/小川 和子

私たちの話は私たちの頭の中にだけ存在する

蹂躙された私たちの体の中にだけ

戦争の時間とがらんどうの空間の中にだけ

どの様な公式的な記録も文書も跡形も無い

ひたすら良心だけ

ただそれだけ

私たちが約束されたこと:

私が彼らについて行けば父を助けられる

仕事につくことができる

国のために働ける

行かなければ私を殺すという

そこがもっと良いという

私たちがみつけたもの:

山も無く 木も無く 水も無く

黄砂 砂漠 涙でいっぱいの倉庫

数千名の心配事だらけの少女たち

私の編んだ髪は切られ

下着をつける時間も無かった

私たちがさせられたこと:

名前を変えさせられ

ボタンの外しやすいアッパッパを着せられ

一日に50人の軍人の相手をさせられ

生理の時もさせられ

服も脱がず男根だけを出す軍人ともさせられ

あまりにも多くの男を相手にして歩けなくなってもさせられ

足を伸ばすことも体を曲げることができなくてもさせられた

彼らが私たちに繰り返ししたこと:

ののしり

殴り

血まみれになるまで腹をえぐり

消毒して注射してまた殴り

穴をあけ穴をあけ

私たちが見たこと:

浴室で化学薬品を飲んだ少女

爆弾に当たり死んだ少女

銃に撃たれさらに撃たれた少女

壁に頭を打ち付けた少女

溺死するように川水に放り投げられた栄養失調になった少女の体

私たちに許されなかったこと:

体を洗うこと

出歩くこと

医師に診察を受けること

コンドームを使うこと

逃げること

赤ん坊を守ること

やめてと言うこと

私たちが貰ったもの:

マラリア 梅毒 淋病 死産 結核 心臓病 精神発作 憂鬱症

私たちが食べたもの:

飯 味噌汁 たくわん 飯 味噌汁 たくわん 飯 飯 飯

私たちがなったもの:

破壊され

道具になり

不妊になり

穴になり

血だらけになり

肉の塊になり

追放され

沈黙され

1人ぼっちにされ

私たちに残されたもの:

決して消すことのできない衝撃

死んだ父

無賃金

傷跡

男への憎悪

子もなく

家もなく

空っぽになった子宮

酒癖

罪の意識と羞恥心

何も 何も!

私たちにつけられた名前:

慰安婦 堕落した女たち

私たちが感じたこと:

私の胸は今も震えている

奪われたもの :

春 私の生!

私たちは今、74歳 82歳 93歳

目は見えなくのろいけど準備はできている

毎週水曜日日本大使館前でこれ以上恐れること無く

私たちが願うこと:

今すぐに

私たちの話がこの世から消える前に

私たちが死ぬ前に

日本政府よ 謝れ どうか

慰安婦の女性たちに悪かったと

私に謝れ 私に悪かったと謝れ

私に 私に 私に!

謝れ! 悪かったと謝れ! 悪かったと!

プロフィール

日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

Author:日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク
わたしたちは日本軍「慰安婦」問題解決のため、関西を中心に活動しています。

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