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宝塚市議会に抗議文を送りました。

宝塚市議会は、10月8日、2008年に自分たちが全会一致で採択した「慰安婦」問題意見書の内容を、何の論理的根拠もなく否定する決議を、賛成14、反対11の小差で可決しました。その暴挙に対し、翌9日、私たちが送った抗議文を紹介します。
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                                       2014年10月9日
宝塚市議会議長 北山照昭  様
                                  日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

           日本軍「慰安婦」問題意見書を撤回する決議に抗議します。

 昨日、宝塚市議会において2008年3月に可決された「日本軍『慰安婦』問題に対して政府の誠実な対応を求める意見書」を撤回する決議があがったことに、私たちは満身の怒りをもって抗議いたします。
 先の意見書は、河野官房長官談話に矛盾しないよう、日本軍「慰安婦」問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復に努め誠実な対応を行うよう政府に求めたもので、被害者の立場に立って解決を求める点を、私たちも高く評価してきました。しかし、今回の決議は、朝日新聞が「吉田証言」を虚偽と認めたことをもって、「意見書は決定的根拠を失った」、「朝日新聞の誤報道が本市議会意見書の信頼性を著しく損ねたことは遺憾」とし、自ら出した意見書の存在を否定したのです。
 こうした主張はまったく根拠がないばかりか、日本軍「慰安婦」問題の本質を見ない、宝塚市議会の見識が疑われるような、恥ずべきものです。「吉田証言」については、現在開会中の国会において、10月3日、菅官房長官が「1993年の河野談話作成過程において吉田氏に聞き取り調査を行ったが、客観的事実とつじつまが合わなかった。証言の信用性が低かったので、談話に反映されていない」と認めています。
 現在、多くのマス・メディアや安倍首相等、「慰安婦」問題を認めたくない政治家たちによって、「朝日新聞の誤報が『慰安婦』問題を作った」「国際社会で日本の名誉を傷つけられた」と喧伝されていますが、果たしてそうでしょうか。河野談話にあるように、当時の軍の関与の下、広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの「慰安婦」が存在したことが認められており、韓国済州島での連行に関する証言が誤報であったことをもって「慰安婦」問題そのものを否定することは不可能です。
 「慰安婦」問題は1991年、日本軍の責任を認めない日本政府の態度に怒って、アジア・太平洋地域の多くの国々やオランダの「慰安婦」被害者たちが勇気を持って次々に名乗り出て、戦場での性暴力の実態を被害者自ら明らかにしてきたものです。その後、政府が発表した日本軍関係の資料をはじめ、多数の証拠資料や写真が発見されており、まさに、女性の人権侵害問題として、国連などの国際社会からも一日も早い被害者への謝罪、加害者の処罰等が求められているのです。
 2008年、「慰安婦」問題解決に向けて宝塚市議会が初めて意見書を可決させ、多くの市町村議会が後に続いたことを考えると、この度の決議は、全国から寄せられてきた宝塚市議会への敬意を大きく損ね、宝塚市民の期待を裏切るものです。
 私たちは宝塚市議会における決議にあらためて強く抗議するとともに、宝塚市議会は、今こそ、日本軍「慰安婦」問題について2008年の意見書を採択した時点に立ち戻って、その立場を明らかにするよう求めます。

宝塚市役所
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