「放送を語る会」のNHK職員に向けた訴え

籾井勝人NHK新会長に抗議の輪が広がっていますが、今のNHKの状態を明確に物語るビラをいただきました。

NHKのOB,OGが中心になって活動している「放送を語る会」では、安倍政権下で危機的状況にあるNHKの職員に自主・自立を訴え、励ます動きを始めており、籾井発言の前ではありますが、つい先日の1月14日には、東京、大阪、名古屋、京都、兵庫、大分のNHKの玄関前で、出勤する職員へアピールのビラを手渡したばかりでした。
ビラを受け取った職員は少なかったそうでが、その後の個別の手渡しや郵送・メールなどで、アピールは少しずつ広がっているようです。

以下にその内容を貼り付けますので、NHK問題を語る機会などに参考にしてください。(だい)




■□■ 放送の自主・自立の危機に際して NHKで働くみなさんに訴えます。■□■

 NHK職員のみなさん。またNHKの番組、ニュース、さまざまな業務で働くみなさん。 
私たちは、最近の安倍政権の動きによって、NHKの自主、自立が危機に瀕するのではないか、と強く危惧しています。
いくつかの市民団体と、ジャーナリスト、研究者、放送関係者を含む個人賛同者の名で、以下のような訴えを緊急にお届けすることにしました。

● 「安倍首相派」が増えた経営委員会を注視してください
 昨年秋、安倍首相は、新たに4人のNHK経営委員を任命しました。
その内、長谷川三千子氏と百田尚樹氏は、「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の主要メンバーであり、
現行憲法を攻撃し、改憲の強い主張を持つ点で、自民党の改憲方針にきわめて近い位置にいる人物です。
あとの二人は、安倍首相の家庭教師だった本田勝彦氏、安倍首相を囲む財界人の会「四季の会」メンバーと関係が深いと見られる中島尚正氏です。

 NHKの最高議決機関である経営委員会に、時の権力者を明らかに支持し、関係が深い人物が4人も送り込まれた、という事態は、
戦後のNHKの歴史の中でも異例のことです。
 こうしたあからさまな政権側の動きの背景には、NHKの、原発事故や、貧困、格差問題を扱った番組に、政権内部から不満、反発の声があると、
多くのメディアが報じています。
 したがって、今回の事態は、単に首相に近い人物が経営委員に就任したというだけにとどまらず、番組内容への抑制、介入が具体化する危険をはらんでいます。

● 番組・ニュースへの圧力が心配です
 放送法上は、経営委員が個々の番組を規制することは禁じられていますが、任命された会長が、その意を代弁する可能性は否定できません。
 次期会長に決まった籾井勝人氏は、週刊誌のインタビューで「テレビは『反対!』っていう人ばかりを映している。賛成と反対があるならイーブンにやりなさい。
安倍さんが言っていることはそういうことですよ」、と述べたとされます。(『週刊文春』2013年12月26日号)
 この談話には、脱原発を求める官邸前デモ、秘密保護法反対の全国でのデモなど民衆の意思が示された大がかりな行動に対して、
政権側が抱いた不満、批判などが反映してはいないでしょうか。
 こうしてみると、経営委員の人事から新会長選任にいたる経過には、NHKの番組、ニュースを政権に都合のいいようにしたい、
という政権の意図が強く働いていると考えられます。
政府批判の報道や市民運動の取材の制限などが、新会長のもとですぐにでも始まる恐れがあります。
NHKで働くみなさん。このような危機的な状況が進行していることにぜひ注意を払ってください。

● 視聴者の期待に応え、真実を追求する報道を
 NHKの最高の倫理は、政治権力からの自主・自立です。
かつて政府の統制下で戦争に国民を駆りたてた歴史の痛切な反省から、NHKは戦後、国民に直接基礎をおく公共的な放送機関とされました。
この原点を忘れて、政治権力に対する批判精神を欠いた、当たり障りのない番組、ニュースを放送していると受け取られれば、
受信料を払っている国民の信頼を決定的に失うことになります。
 すでに最近、原発事故や放射能汚染、貧困、格差を扱う番組の数は減少し、秘密保護法報道でも、政局報道に偏って、
法案の危険性を独自に検証しなかった姿勢が市民の厳しい批判を浴びました。
 とくに、ニュースや番組を担当するみなさん。
私たちは、政権の圧力に屈せず、事実の取材を通じて社会の真実を明らかにするみなさんの努力に期待しています。
その努力に対して、「公正・中立・不偏不党」であるべき、という主張が、放送を規制する論理として使われる可能性があります。
 そもそも放送法には、「政治的に公平であること」という規定はありますが、放送の「中立義務」などの規定はありません。
現場のみなさんは、機械的でマニュアル的なバランスに縛られず、視聴者に本当に伝えるべき内容を勇気をもって放送してください。

● 労働組合のみなさんへ
これからは、さまざまな介入、圧力がNHKに加わる可能性があります。
その時、NHKの自主、自立を支える力として、NHK労組・日放労への市民の期待は大きなものがあります。
かつてNHK労組は、NHKの自立が脅かされた幾つかの歴史的時点で、市民や知識人と連帯して大規模な運動を展開しました。
1976年には、ロッキード事件で逮捕、保釈中の田中角栄元首相を見舞った小野会長を、市民と連帯した大運動で辞職に追い込みました。
こうした輝かしい歴史を受け継ぎ、必要な時には、ぜひ労組としての力を発揮していただきたい、と心から願うものです。

最後に、NHKで働くすべてのみなさんの、NHKの自主・自立を守る活動には、視聴者・市民として支援を惜しまない決意であることを表明します。

2014年1月14日
                                      放送を語る会
(賛同団体)
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ 
NHK問題大阪連絡会 
NHK問題を考える会(兵庫)
NHK問題京都連絡会
NPO法人マスコミ市民フォーラム 
日本ジャーナリスト会議 
日本ジャーナリスト会議東海地区連絡会議
日本ジャーナリスト会議放送部会 
マスコミ九条の会 

(賛同)
桂 敬一   元東京大学新聞研究所教授
加藤 久晴  元日本テレビプロデューサー・メディア総合研究所研究員
小林 緑   国立音楽大学名誉教授・元NHK経営委員
柴田 鉄治  ジャーナリスト・元朝日新聞論説委員 
隅井 孝雄  ジャーナリスト・京都ノートルダム女子大学客員教授
須藤春夫   法政大学名誉教授
醍醐 聰   東京大学名誉教授 
田島 泰彦  上智大学教授
仲築間 卓蔵 元日本テレビプロデューサー・マスコミ九条の会呼びかけ人
西野瑠美子  フリージャーナリスト・「戦争と女性への暴力」リサーチ・アク
       ションセンター共同代表
西村秀樹   ジャーナリスト・近畿大学教員
吉田 昌弘  JAZZ喫茶映画館
渡辺 絹子  JAZZ喫茶映画館
野中 章弘  ジャーナリスト・大学教員
服部 孝章  立教大学教授
原 寿雄   ジャーナリスト
松田 浩   メディア研究者
丸山重威   元共同通信社・元関東学院大学教授

池田 恵理子 元NHKディレクター、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)館長
大西 誠   元NHKプロデューサー、愛知淑徳大学教授
沖野 皓一  元NHKアナウンサー
川崎 泰資  元NHK政治部記者、NPO法人マスコミ市民フォーラム理事長
小山 帥人  元NHK映像取材・ジャーナリスト
桜井 均   元NHKプロデューサー
高野 春広   元NHKアナウンサー
津田 正夫  元NHKプロデューサー・元立命館大学教授
戸崎 賢二  元NHKディレクター
永田 浩三   元NHK制作局プロデューサー、武蔵大学教授
増田 康雄  元NHK音響効果
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