映画『阿媽 おばあさんの秘密 ~台湾籍「慰安婦」の証言』

映画『阿媽 おばあさんの秘密 ~台湾籍「慰安婦」の証言』(1998年)を観ました。台湾の被害者たちの証言をまとめた、ドキュメンタリーです。
とても重たい映画でした。もちろん被害事実そのものが重たいのですから当然なのですが、被害者たちが「50年間、親にも夫にも秘密にしてきた」「日本を恨んでいる、赦すことはできない」などと告発される姿を今日改めて目の当たりにすると、この20年間罪を認めず、誠意のある謝罪も賠償もしてこなかった日本政府の犯罪性を突きつけられるようで、とても辛くてたまりませんでした。
この映画には十数人の証言者がでてきますが、共通するのは、慰安所に入れられ被害を受けるまで、誰も自分が「慰安婦」とされることを知らなかったということです。
漢民族の被害者のほとんどは「食堂で働き口がある」などと騙され、ビルマや海南島やフィリピンなどに送り込まれました。拒絶すると殴られ、遠い外国で逃げ場もなく、何よりも当時の自分たちは年端もいかない年齢だったので従わざるをえなかったのだと言います。無事台湾に戻ってきても、その被害を誰にも言えなかったというのですから、その絶望はとてつもなく深いものだったでしょう。
一方、先住民族の被害者の多くは、自分の住む村々に駐屯してきた日本軍によって性暴力被害に遭っています。被害に遭った場所が自分の生活圏であり、周囲も自分の被害のことを知っている。閉鎖的かつ封建的な社会にあって、被害を受けることは、その後の人生もうしなわせるものでしかありません。ある被害者が、自分が被害に遭っていた洞窟(日本軍の倉庫)で証言をされている映像を観て、心が押しつぶされそうでした。
また映画の中で慰安所に関わった台湾人の証言も出てきますが、これを見ると「業者のせい」と主張することで日本政府の責任を免罪しようという企みも、全く事実に反しているとわかります。
日本政府は先日の日韓「合意」でも、日本軍の関与を認めていますが、これは「関与」なんて生易しいものではありません。直接的な加害行為・犯罪行為でなくて、一体何だというのでしょうか。
日韓「合意」を受け、台湾の馬総統は日本政府に対して同様の対応を求めましたが、菅官房長官は台湾政府とは交渉する気がないことを明言、バッサリと切り捨てました。このような態度でいる日本政府のどこに誠意があるでしょうか。日本政府が認めた「責任」とは一体何で、「おわび」とは誰に向けられたものなのでしょうか?
今こそ台湾をはじめとして、日本が占領支配した全ての地域にいる被害者の声に、耳を傾ける時です。(だい)
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