【アジア連帯会議2日目②】各国報告

午前中の最後に挺対協代表の尹美香さんから基調提起があり、午後から各国の報告がありました。
書き出せば本当にキリがないくらい内容の濃いものだったのですが、ここでは12.28合意を巡っての発言に限って紹介したいと思います。

《韓国》
電撃的に発表された後、韓国では(代表に対する個人攻撃も含め)挺対協に対する右翼勢力を動員しての攻撃がはじまった。しかし他方では市民社会も敏感に反応し、学生たちは平和の碑を撤去させまいと24時間の座り込みを始め、財団設立に反対する募金活動も自然発生的に始まっている。しかし朴槿恵政権は被害者や市民の声を黙殺し、財団設立を強行しようとしている。
そのような情勢を踏まえ、私たちは以下を提案する。
①12.28合意は「最終的かつ不可逆的な解決」にはならないことを宣言する。
②最後まで日本軍「慰安婦」問題の真相究明と日本政府の法的責任を追及する。
③記憶と追悼のための活動の強化、国際社会での共同活動、戦時性暴力被害者の連帯と再発防止。

《台湾》
1915年、台湾でも歴史教科書を巡って、「慰安婦」問題は強制連行の有無に矮小化させる動きがあった。これは性奴隷被害者を苦しませるもので、容認できない。私たちが求めているのは被害者の尊厳回復であって、12.28合意はこれに著しく反している。
①日本政府は女性たちを性奴隷化したことについて、謝罪と賠償を行え。
②日本の教科書検定に強く抗議する。日本軍「慰安婦」制度は日本軍国主義によって行われた最大規模の性奴隷制度であったと認め、教育課程に組み込むべき。
③8.14日本軍「慰安婦」メモリアルデーを国連の記念日とするよう求める。

《中国》
日本軍「慰安婦」問題の強制性を示す証拠が次々と発見されている。博物館を建設し、映画を製作して上映活動を進めている。私たちは12.28合意に関して、日本政府に対して、河野談話に基づき明確に反省と謝罪を行うことを求める。今日は頭を下げ、明日は首を振るというのは、誠意のない行動だ。日本政府は変わっていかねばならない。

《フィリピン》
ロラたちは日本の再軍国主義化を糾弾し、中国を挑発するアメリカの結託を批判してきた。アキノ政権がそうであったように、自衛隊とフィリピン軍との一体化を強く非難してきた。
12.28合意は、中国に対抗するため日韓と結んだ軍事協定で全ての障害を除去しようとするアメリカが主導したものだ。これは被害者が闘い求めてきた正義には程遠いものであり、被害者たちに沈黙を強いる条件に他ならない。
しかしフィリピン政府は日本政府に対し、私たちの要求を全く何も伝えていない。
決してあきらめず正義を求めてきたロラたちは正義を回復されないままこの世を去ったとしても、次世代が後に続くだろう。

《東ティモール》
被害者たちは何の支援も受けられないまま、極度に衰弱している。被害者は東ティモール政府に対して、事実を認め公式謝罪・賠償するよう日本政府に働きかけることを求めているが、政府は被害者を支援するどころか、公式的な発言さえ行っていない。

《インドネシア》
12.28合意はインドネシアでも話題になったが、政府は沈黙している。政府は関心がない、大衆は関心が薄い。そのような中でも、一歩一歩市民の認識を広げるような活動を行う。

《日本》
抗議文を作成し2月5日に外務省に赴き手渡した。外務官僚は「被害者が受け入れられる解決でなければならないという趣旨には共感している」と言いながらも、「日韓間の棘を国交正常化50周年を機になんとか解決したいという安倍首相と朴槿恵大統領の政治的な意思の反映」と述べた。合意は被害者の意思を反映したものではないということを、自ら露呈したのだ。
また2月には国連女性撤廃委員会に参加して、政府代表の恥ずべき言動の不当性を明らかにし、あのような12.28合意を否定するような勧告に結びついた。
しかし一方で日本では合意を評価し「もう終わった問題」という反応が圧倒的多数派で、メディア、野党ともに合意歓迎一色である。かつて植民地支配と侵略という加害行為を行った日本の歴史と責任を、認識、記憶、継承する取り組みが体系化されなかったツケが一気に露呈する形となった。日本の運動は改めて、事実認識、歴史認識の問題に一から取り組まねばならない。
①12.28合意が「最終的・不可逆的解決」にはなり得ないことを宣言することに賛同する。
②あるべき解決、加害事実の認識、そして今何を行うべきかを社会に広げることは、被害者個々人がどのような選択をするかは別として、加害国日本の市民として取り組んでいかねばならない。
③被害者と共に歩んできた歴史の記録と継承。
④私たちは日本政府の姿勢を恥ずかしく思う。日本政府に対して最後まで国家責任を求めていくと共に、加害国日本の市民として高齢化する被害者たちへの支援を行う。

この他、オランダと香港から報告がありました。
その後、若干の質疑応答、議論を経て、明日の行動計画策定の議論に引き継がれることになりました。

明日はどのような議論になるのでしょうか。
いずれにせよ、これまで以上に日本政府の責任を追及するのは間違いないでしょう。そしてこれまで以上に私たちの立場、加害国側の人間であるということを意識させられ迫られる議論になるのではないかと推測します。
梁澄子さん(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同活動代表)が日本の報告をしている時の嗚咽。金福童ハルモニに「長い旅になって申し訳ない」と言われたことを思い、それは日本の側の責任であるのに被害者にそのように言われたことで、安倍政権の犯罪性と日本社会の体たらくを目の前にしての私たちの責任を突きつけられ、とても正常な気持ちでおれなかったこと。
インドネシアの研究者である鈴木隆史さんがこれまで長い期間をかけて研究者としてコミットしてきていたにもかかわらず、それはあくまで研究者としてであって、結果として多くの証言してくださった被害者の死に無為であり続けたことへの猛烈な反省。そしてそれは日本人男性としての責任に積極的でなかったことへの自己批判を涙で表明せざるをえなかったこと。
日本に住む私たちは、自分の責任、自己批判を、今まさに迫られているのだと思います。

そういう意味でも、これからは私たちの運動が本当に問われています。
(だい)
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