「阿嬤の家-平和と女性人権館」(AMA Museum)開幕式

12月10日午前、台北で「阿嬤の家-平和と女性人権館」(アマ・ミュージアム)の開幕式がありました。博物館のすぐ近くの公園に、文化部長をはじめ、たくさんの国会議員や婦援会の代表、それに陳蓮花アマなどたくさんの列席がありました。また私たち日本の支援者をはじめ、各国から60人もの参加がありました。

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(模型を前にテープカット)
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(お話しする陳蓮花アマと李容洙ハルモニ)

本当に紹介したいたくさんの挨拶があったのですが、日本の参加者としてもっとも心に残った柴洋子さん(台湾の元「慰安婦」裁判を支援する会)の発言をここで紹介します。柴さんの発言は、日本から開幕式に駆けつけた私たちの気持ちと全く同じです。

「アマたちは99年に日本政府に謝罪と補償を求めて提訴したが、それまで名前を公表することもためらっていたアマたちが、なぜ裁判をおこすようになったのかとビックリしたことを覚えている。私たちは裁判闘争を支援するために会を立ち上げたが、裁判闘争を通じてアマと親しくなるなかで、アマたちの心の穏やかさや強さを知りました。台湾の「慰安婦」裁判は他の裁判が敗訴するなかでの提訴でした。そして結果は、フィリピンの裁判と同じく、事実認定もされないという血も涙もない判決でした。陳桃アマは、負けてもなおまだ闘うと言っていましたが。
婦援会のワークショップにも参加させてもらうなかで、アマたちの心の変化、裁判に至る変化を知りました。これは本当に婦援会の被害者の気持ちに寄り添う働きがあったからこそです。
日本政府はアマたちを無視していますが、アマを記録し記憶するミュージアムができ、これで記録と記憶に残されることになります。
日本は情けない状況にありますが、諦めることなく、日本政府に謝罪と補償を求めていきます。」

近くのカフェで昼食を採り、午後から博物館を見学しました。
博物館は台北の中でも古い街並みが特徴的で観光スポットでもある迪化街にあります。建物の壁面は被害者たちの象徴である葦の絵が銅板に打ち貫かれていて、。京都の町屋のような細長い建物の入り口はカフェになっており、訪れた人がゆっくり休憩できるようにもなっています。
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そしてカフェの奥に入ると、アマたちの被害体験や、名乗り出てからの闘いの記録が展示されています。特に台湾については、日本軍「慰安婦」を中国大陸や海南島、東南アジアへ連行した際の台湾総督府の関与がかなり明らかになっており、それらの資料も展示されています。
そしてなによりも胸を打つのは、婦援会のワークショップでアマたちが作った作品の数々です。アマたちの最晩年を描いたドキュメンタリー映画『蘆葦の歌』でも描かれていますが、婦援会はアマたちに絵画を書くことや写真を撮ること、またなりたかった自分を体験してもらうなど、様々なワークショップを通じてアマたちに自分の内面と向きあってもらい、被害回復を実現してきました。ここまで専門的で深い取り組みは、他の支援組織ではなかなか実現できませんでした。そしてそんなアマたちの自己表現を通じて、私たちはアマがどれだけ苦しい思いをしてきて、どのような葛藤を戦後も抱えてきて、立ち上がるためにどれだけ勇気を振り絞らなければならなかったか、私たちは知ることができました。どれだけ日本軍がアマたちに回復しがたい傷を残したかも。
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アマたちの作品は彼女たちの尊厳回復への道のりであり、人類の遺産といってもいいものだと思います。今は亡きアマたちが心と向きあった作品群を前にすると、そこにアマたちがいることを感じます。日本政府がどれだけ彼女たちをなき者にしようとも、世界記録遺産に認められることを邪魔しようとも、彼女たちは確かに存在したし、彼女たちが亡くなった後も彼女たちが存在したという事実は日本政府を告発することを止めません。
2階の廊下にはたくさんのライトが天から降り注いでいます。手をかざすと、亡くなられた被害者たちの名前がそこに刻まれていることがわかります。台湾で名乗り出た被害者は59人。59人の名前が私たちの掌に握られ、私たちが何をすべきかを教えてくれます。
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「阿嬤の家-平和と女性人権館」はアマたちが生きてきた証しを今に遺す博物館です。そして今も私たちの心の内に生き、私たちに闘う理由を教えてくれる博物館です。
婦援会の康淑華執行委員長は、博物館建設の苦労についてこう語っていました。
「足掛け12年、アマたちの『いのちの物語』を保存できる場所が必要でした。政府は実現を約束してくれましたが、様々な条件で挫折し、台湾で初の民間の基金による人権博物館を作ることになりました。最大の課題は資金調達でした。あと1000万元(約3500万円)ほど足りません」
今回博物館は無事開館できましたが、資金面での課題をまだ抱えています。本来このような博物館は日本にこそ必要なのに、日本で唯一の「慰安婦」博物館であるwamは右翼から脅迫されるような今の日本の状況です。 
関西ネットでもアマ・ミュージアム建設支援を行いましたが、博物館を支えるための取り組みを今後も続けたいと思いますし、みなさまもアマ・ミュージアムへの支援をお願いします。
そしてぜひ、みなさんもアマ・ミュージアムを訪ねてみてください。アマたちの存在を感じ取り、日韓「合意」後の最悪の日本社会の状況にあってなにをするべきか、ともに考え、行動しましょう。

(だい)
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