国際社会の声とかけ離れる日本の今 ~日本軍性奴隷問題から見る~ 渡辺美奈さん(wam事務局長)講演会

《 報告 》





12月17日、国連の人権機関等に対しても情報提供を続けている、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)の渡辺美奈さんからお話を聞きました。
渡辺さんの講演内容の一部を報告します。 




ユネスコ「世界日記憶」登録をめぐって 

2016年5月、日本軍「慰安婦」の記録をユネスコ「世界の記憶」に登録するため、韓国、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、オランダ、東ティモール、日本の8カ国の民間団体と大英帝国戦争博物館が共同申請を行いました。wamもこの8カ国の国際連帯委員会に参加しています。それに対して、否定主義者たちも登録申請をしており、2017年10月のユネスコ「世界の記憶」プログラム国際諮問委員会は両方の申請者に対して関係者間で対話をするよう勧告を出しました。
ユネスコ「世界の記憶」は、本来、市民が申請することができ、「記録物」を人類の重要な遺産と認めた時、適切に保管し、誰もがアクセスできるようにすることを目的とし、歴史観とは関係なく認められるものです。今回申請された「『慰安婦』の声」は2700点もの資料が含まれており、「記憶」するに値する貴重なものであったにも関わらず、このような結果になったのは、日本政府が分担金の不払いや、加害国側から異議申し立てできるようにルールを変更させようと圧力をかけていたことが大きく影響しているようです。登録が延期され、このような勧告になった経緯について、必ず明らかにされなければなりません。 ユネスコ「世界の記憶」として登録されることは、被害者の被害回復措置のひとつとなり、戦時性暴力の記憶が世界的に認められる先例になるでしょう。


海外の市民運動との連携 

「慰安婦」問題と関連した国際社会の動きとして、関西ネットから、この間のサンフランシスコ市(SF市)が設置した「慰安婦」記念碑に対する吉村大阪市長の対応と、姉妹都市解消に至るまでの経過について報告しました。
記念碑の設置にあたりSF市民団体「『慰安婦』正義連盟」(CWJC)から関西ネットに支援の依頼が来て、それに応えるべく、SF市議やリー市長宛ての要望書に賛同やメッセージを集めて送り、また、吉村市長への抗議行動にSFからメッセージが届くなど、海外の運動団体との連携モデルにもなりました。 




国連人権理事会(UPR)日本審査と勧告 

2017年10月、国連人権機理事会の第28回普遍的定期審査(UPR)作業部会行われました。
これは、国が人権状況を審査し、指摘するもので、今回日本政府は196カ国のうちの106カ国から日本の人権問題について指摘され、「慰安婦」問題については、韓国、朝鮮民主主義共和国、中国の3カ国が言及し勧告しました。日本政府はこれまでも3回勧告をうけていますが、1度も勧告を受け入れるとは言っていません。
韓国は発言の中で「日韓合意」について、多くの被害者と市民社会は「合意」は不十分だと考えていると、国際社会に向かって伝えたことは重要です。 
一方、韓国政府は「日韓合意」の交渉過程や合意内容を検証するためTF(タスクホース)チームを立ち上げ、間もなく結果が発表される予定ですが、チームのメンバーにこれまでこの問題に取り組んで来た人が選ばれていないことに不安も感じています。 


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