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【追悼】李秀梅ダーニャン

李秀梅


今朝、毎日新聞の訃報欄に、小さく載っておりました。
中国山西省の被害者で、日本で裁判を闘われた李秀梅ダーニャンが10日亡くなられました。
昨年の万愛花ダーニャン、陳林桃ダーニャンに続く訃報ということもあり、いつかはこのような日が来るとはわかっていながら、日本政府の公的謝罪と補償を実現できていない私たちは、なかなかこの事実を受け入れることができないでいます。
李秀梅ダーニャンは、映画『ガイサンシーとその姉妹たち』にも登場されていますので、日本でもご存知の方は多いことでしょう。裁判を闘われたということもあって、日本軍「慰安婦」問題に取り組む私たちにとっても、象徴的な被害者のひとりでした。
最近では、昨年7月の橋下市長の発言を受けて、大阪弁護士会に懲戒処分を請求しています。橋下市長の地元住民である私たちにとっても、尊敬すべき被害者でした。

橋下市長は言いましたよね。「強制連行の証拠がない」「あるなら韓国に出してもらいたい」と。
いま、橋下・維新の会が後押しし、安倍政権が乗っかる形でする形で「河野談話の検証」なるものが進んでいます。
李秀梅ダーニャンの被害は、まさに「強制連行」でした。
そしてその被害事実は、司法によってすでに認定されています。
裁判そのものは残念ながら勝利することはできませんでしたが、被害事実、被害者の存在そのものが否定されたわけではありません。

橋下市長! 安倍首相!
李秀梅ダーニャンの訃報に接して、ダーニャンに語るべき言葉があるのではないですか?!
「すまなかった」
「あなたの心を傷つけて申し訳なかった」
と、言えないのですか?

それとも、被害者の死が嬉しいとでも?!

私たちは、李秀梅ダーニャンを傷つけたあなたたちを、絶対に許しません。そして、絶対に橋下市長に、安倍首相に、そして日本政府に「ごめんなさい。赦して下さい」と、言わせてみせます。そう誓います。
それが加害国日本に住み、そこでこの問題の解決を求める私たちの、せめてもの手向けです。

以下、原告弁護団からの連絡を転載します。(だい)

(ダーニャン=大娘とは、「おばあさん」という意味です。支援者の間では、中国の被害者に対して親しみと尊敬の念を込めて、この言葉を用いています。)





今朝(11日) 中国山西省の張双兵さんから、10日に李秀梅さんがなくなられた、との連絡がありました。

李さんは1927年生まれ、15才の時(1942年)旧暦8月に突然家に押し入ってきた日本兵に強引に家から引き出され、日本軍の拠点があった進圭村に連行され、ヤオドンに監禁されました。それから約5ヶ月間、毎日のように多数の日本兵から性暴力をうけ、ついに5ヶ月ほど過ぎたある日、特にひどい仕打ちをする「赤ら顔の隊長」に抵抗したところ、ベルトで殴打され、右目を失明しました。さらにこん棒で頭を殴られたり、軍靴で足を蹴られたりして大けがをしました。このことを伝え聞いた兄が迎えに来てようやく解放されましたが、家に帰ってみると、彼女を取り返そうとして家を売ってまでしてお金をつくって日本軍に持って行ったのに取り返すことができなかった母親が悲観して自殺してしまっていました。

李さんは1994年に初めて日本の弁護士にこの被害を語ってから一貫して日本政府の謝罪と賠償を求めてきましたが、ついに実現しないままなくなられました。
中国人「慰安婦」訴訟(第1次、第2次)の原告となられた6人の被害者のすべてがこれでこの世を去られたことになりました。裁判所では高裁で詳細に被害事実が認定されたのに、今日に至るも解決にいたらず、ましてやこの問題をなかったことにしようとする勢力の跋扈する現状に、弁護団として、本当に申し訳ないおもいでいっぱいです。
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