「慰安婦」教材に関する大阪府教委交渉報告

2015年12月1日 「慰安婦」教材に関する大阪府教委交渉報告
大阪府教委は日本軍「慰安婦」被害者の被害事実を教えろ!


 2015年12月1日、「子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会」と「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」とによる、「慰安婦」補助教材に関する大阪府教育委員会との交渉が行われました。府教委からは2名が対応、こちらからは両団体の他、「日の丸・君が代」不起立処分に反対する教職員・市民など約20人が参加しました。
 まず府教委側より、補助教材に至る経過説明がありました。
 朝日新聞の「吉田証言取り消し」を受けて、2014年の9月議会で維新の会の西田議員より「吉田証言が虚偽だったので、教科書の記述根拠がなくなった」と学校現場での教育の是正を求める質問をし、松井知事が「誤報を認めた限り強制の証拠がなくなった。間違った教科書で知識を得るのはマイナスなので、補完するための教材を配布する」と答えたことが、今回の発端です。
 これに対して府教委として対応策を協議し、補助教材を配布するのではなく、2月20付で通知「学校における適正な指導及び教材の適正な取扱について」を出し、学校現場で吉田証言に依拠するような授業をしているような場合には是正するよう通知を出しました。
 するとまたしても2月議会でこのことが取り上げられ、知事は「補助教材はしっかり出すようにする、総理談話も注視しながら」と答弁しました。
 そして府教委は安倍談話の発出を待ち、今回の教材作成に至ったわけです。


1,なぜ政府の見解しか教えないのか?

 なぜこの補助教材には政府の見解しか載せていないのか? 私たちがこのことを追求すると、府教委は以下のように答えました。
 2014年1月に改正された教科書検定基準では、「政府の統一的な見解や最高裁の判例がある場合には、それに基づいた記述をする」とある。そして編集に当たって、「客観的かつ公正な資料に基づいて、歴史の事実に関する理解を深めることが大切」であり、指導に当たって「多面的・多角的に考察し、公正に判断する能力を育むため史実の認識や評価に慎重を期する必要がある」ために、朝日新聞の「吉田証言の取り消し」という明白な事実と、種々の政府見解を取り上げることにした、と。
 私たちから見れば、この説明にはかなり無理があります。府教委は「多面的・多角的」と言いますが、今回の補助教材は国の見解を羅列しただけの一方的な教材にしか見えません。
 そして教材を普通に読めば、「慰安婦」問題はなかったとしか判断できません。朝日新聞の「吉田証言取り消し」があって、第1次安倍内閣の「強制連行の証拠はなかった閣議決定」があって……、しかしそういう指摘にしたいして、府教委は「でも河野談話も載せています」「安倍政権は河野談話を否定していない」と反論します。そして政府見解の中にも様々な見解があり、それが「多面的・多角的」であると主張するのです。最初は何を言っているのか分かりにくかったのですが、政府見解の変遷、つまり安倍政権が日本軍「慰安婦」問題を否定しようと企てたにもかかわらず、それをなしえず未だ河野談話を継承せざるを得ないことを学ぶことで、「多面的・多角的」な学習ができると考えているようなのです。

 しかし政府見解の羅列だけで高校生がそれを読み取るのは、相当に難しいと判断せざるをえません。そしてもし読み取る能力があったとしても「安倍政権はブレているな」と感じる程度で、その根本の問題、つまり日本軍「慰安婦」問題とはなんであるのかを学ぶことは、この教材からは不可能です。これは「『慰安婦』に関する日本政府の見解の変遷に関する補助教材」であったとしても、表題通りの「『慰安婦』に関する補助教材」ではありえません。


2,日本軍「慰安婦」被害者の被害体験を補助教材に記述せよ!

 日本軍「慰安婦」問題を学ぶための教材であるならば、被害者の証言――「慰安婦」にさせられた女性がどのような辛い体験をしたのかという被害事実を載せなければ、意味がありません。補助教材には被害者の証言を載せるべきだと私たちは強く主張し、そしてこのことが交渉の最大の焦点となりました。
 私たちは「証言こそが日本軍『慰安婦』問題を学ぶための必要不可欠な教材である」と主張し、「それは認めますよね」と追求すると、「証言は有効な教材である」と認めました。また現場教員が補助教材に追加して証言などを用いて授業を行うことも、否定しませんでした。
 しかし、補助教材に被害事実を追加記載すること、あるいは被害事実を含めた追加教材を作成することについては否定し、認めようとしませんでした。その可能性を検討することさえ否定しました。「それはなぜですか?」「断る理由はないでしょう」といくら問うても、何も答えようとしません。
 その材料、維新の会も否定しようのない被害事実を、こちらで用意しますよと提案しているにもかかわらず。

 被害事実を教えずに、本当に「多面的・多角的」で「客観的かつ公正」な学習が可能なのでしょうか? 府教委はそれが可能と言い張ります。なので私たちは問いました。
 「政府答弁はすべて真実なのか?」
 「真実ですよね」
 しかし現実には、11月10付の「抗議文および公開質問状」にも資料として添付しましたが、安倍政権の見解は国際的な批判を浴びています。2014年の国連自由権規約委員会の最終所見では「委員会は、締約国(日本)が、慰安所のこれらの女性たちの『募集、移送及び管理』は、軍又は軍のために行動した者たちにより、脅迫や強圧によって総じて本人たちの意に反して行われた事例が数多くあったとしているにもかかわらず、『慰安婦』は戦時中日本軍によって『強制的に連行』されたのではなかったとする締約国の矛盾する立場を懸念する」と、明確に批判されています。
 「多面的・多角的」とは、日本政府の主張と国際世論の対立の双方を学んで初めて学ぶことができるのであって、日本政府の見解を追いかけているだけでは絶対に学ぶことはできません。
 また安倍政権は現在、日本軍「慰安婦」問題の強制連行があったと認めようとはしませんが、「政府見解が絶対的に正しいのならば、強制連行はなかったと判断しているのか?」と問いました。
 その返答は、「強制連行があったかなかったかは事実として明確になっていない」です。
 大阪府教委は誤った理解をしています。強制連行があったことは、明確な事実です。これも府教委には事前に資料を渡していたのですが、中国人「慰安婦」裁判、あるいはオランダ人「慰安婦」裁判で、どう見ても強制連行としか判断できない被害が、裁判所で事実認定されています。
 いみじくも府教委の浅い理解が示したように、政府見解だけでは「多面的・多角的」で「客観的かつ公正」な理解など、できるはずがないのです。
 だから、まず、被害事実から学ぶことが必要なのです。証言が必要なのです。

 なぜ、補助教材に被害事実を追加記載すること、あるいは被害事実を含めた追加教材を作成することを、府教委は受け入れないのでしょうか?


3,吉田証言はなんの影響も与えていないのに?!

 松井知事が補助教材の作成を答弁した9月議会の後、府教委は対応を検討した結果、補助教材の作成ではなく、教育現場に「吉田証言を根拠に授業しないように」という指示で終わらせようとしました。しかし2月議会でまたしても蒸し返され、今回のような補助教材が作られる結果となりました。
 驚かされたのは、吉田証言が現在の教科書の記述に何らかの影響をあたえるものではないということを、府教委も交渉の最初から認め、しかも松井知事が補助教材を口にした当初から府教委は「教科書の記述を返るものではない」と認識していたということでした。
 吉田証言は1993年~1994年には「史料として使えない」と判断されており、現在の歴史学に何の影響も与えていません。それは学問の世界では常識であり、朝日新聞が吉田証言を取り消したからといって、高校の歴史教科書の記述に全く影響を与えるものでないことは、当然です。しかし、そういう正しい認識をしておきながらこのような教材と作るということであれば、重大さは全く異なります。
 教科書の記述に影響を与えないのであれば、なぜ今、朝日新聞の「吉田証言取り消し」を補助教材で教える必要があるのでしょうか? これは「多面的・多角的」とか言えるレベルではなく、高校生たちにとっては無用の混乱です。学校現場で最初から教えられていないものを、しかも日本軍「慰安婦」被害者の被害実態を教えられることなく、「吉田証言取り消し」を持ち込むのですから。こんなものはもはや歴史の教育ではありません。

 私たちは質問状で、「吉田証言を教育現場で教えている事実を調査しましたか?」と質問していましたが、回答は「調査はしていない」ということでした。調査することを思いつきもしなかったようです。
 維新の西田議員が「吉田証言が虚偽だったので、教科書の記述根拠がなくなった」と吠えたとき、もし府教委に抵抗する気があれば、「現場で吉田証言を根拠とする授業はなされていない」ということを確認するはずです。だって、現場で吉田証言に基づく授業なんてなされているわけがありません。済州島で日本軍「慰安婦」の強制連行があったなんて、誰が教えるでしょうか? それでなくとも、被害者がこれだけ名乗り出ているというのに、吉田証言を取り上げる意味がありません。授業で使われていないのであれば、このような教材を作成する理由もなくなります。
 ましてや府教委は最初から、吉田証言は教科書の記述に何ら影響を与えていないと知っていたのですから。
 ならばなぜ調査しなかったのか? 調査する必要を思いつきもしなかったのか?

 これから先は推測ですが、だれもが思っていることです。
 この問題は学術論争ではなく、「政治」だから。大阪府教委は維新の政治的圧力に対して徹底的に抵抗する気はなく、最初から膝を折っていたのです。
 それでも、府教委のことを好意的に判断するならば、維新の補助教材に対する圧力に対して2月20付通知「学校における適正な指導及び教材の適正な取扱について」で対応したことは、それなりに抵抗した結果なのだとは思います。そしてそれでも教材を作らなければならないことを迫られたとき、「強制連行はなかった」「『慰安婦』問題は虚偽である」という維新の意向を排し、「慰安婦」問題を否定しきれなかった安倍政権のブレを掲載したことは、府教委なりの抵抗だったのかも知れません。
 しかしそれは、残念ながら府教委の自己満足でしかありません。
 府教委は結局、教育ではなく、政治を選択したのです。
 教育行政が責任を持たなければならないのは、子どもたちの教育に対してだけです。子どもたちの教育に対してだけ誠実でなければならず、他のベクトルは一切不要です。教育行政に政治介入を許すなど、教育の「死」です。
 このような教材を押しつけられ、日本軍「慰安婦」問題のなんたるかを一切教えられない高校生たちは、不幸としかいいようがありません。

 府教委は、今回で交渉を終わらせようとしています。今回で十分に誠実に対応したと。
 しかし府教委は私たちの質問に、何も答えていません。
 なぜ、補助教材に被害事実を載せることができないのか? なぜ日本軍「慰安婦」問題のなんたるかを教えることができないのか?
 それが政治だからとか、維新の圧力に火を注ぐとか、そんな理由は納得できません。

 大阪府教委は、今一度、「教育とはなにであるのか?」と自問して欲しいと、切に願います。教育行政に誇りを持ち、生徒に対してだけ責任を持って欲しいです。
 私たちは何度でも大阪府教委に交渉を申し入れます。何度でも何度でも、日本軍「慰安婦」被害者の証言を、被害事実を突きつけます。そして正しい歴史認識に基づく日本軍「慰安婦」問題の教育を追求します。
 日本軍「慰安婦」被害者のために! そして未来を担う高校生たちのために! (だい)

大阪府教育委員会に「『慰安婦』に関する高校歴史補助教材」に対する抗議文および公開質問状を提出

今日、大阪府教育委員会に「『慰安婦』に関する高校歴史補助教材」に対する抗議文および公開質問状を提出しました。「子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会」と「日本軍『慰安婦』問題関西ネットワーク」が出しました。そもそも昨年の朝日新聞の吉田証言取り消しを受けて、政府の立場を説明するという作成動機が問題。今後文書での回答と説明を求めていきます。

【抗議文&公開質問状はこちら】

【緊急行動】サンフランシスコ市の「慰安婦」像を阻もうとする橋下市長らの行動を許すな!(団体賛同署名のお願い)

 みなさま

 先週、米国サンフランシスコ・ベイエリア在住のMiho Kim Leeさんより、主に大阪に拠点を置く団体、グループや組織あてに次のような依頼が来ました。

 先月、サンフランシスコ市議会に「慰安婦」碑の設置を求める決議案が提出されました。
 サンフランシスコ市では、これまでもホロコースト、エイズ、ゲイ迫害など、多くの人々の命を奪った不正義を記憶し、2度と同じ過ちを犯すことのないよう、慰霊碑を建ててきた歴史があります。

 ところが、この流れに対抗するように、日本の「なでしこアクション」ら極右団体がこれを阻止するため、領事館などを通して日本政府の協力を得ながら、歴史歪曲に活発に取り組んでいるとのことです。
 決議案の公聴会に押しかけ、「日本の戦争は聖戦だった」「(「慰安婦」は)ただの娼婦」等と主張しました。

 決議案は委員会に回され、次の公聴会は9月17日です。
 そこを通過した後、万事上手くいけば、22日の市議会会議にて正式に採択される見込みです。

 右派の人々は「慰安婦」碑の建設目的は日本バッシングにある、などと批判を繰り返しています。
 そうした中、産経新聞がこの問題を報じると、橋下大阪市長は記者会見で、この決議案に反対する要請文を送る予定であることを明らかにし、しかも、「慰安婦」碑の建設によって姉妹都市ステータスも考え直さざるを得ないということを示唆しました。

 私たちはこうした情報を受けて大阪市役所に確認をしたところ、橋下市長がサンフランシスコ市に充てて27日に書簡を送ったことが明らかになりました。
 橋下市長の書簡および記者会見についてはこちら

 これに対し、私たちは団体署名をよびかけます。[用紙はこちら(Word)]
 9月17日の委員会で決議案が採択されるには多様なコミュニティからの多くの力が必要です。また橋下市長や「なでしこアクション」のような日本軍「慰安婦」被害者を傷つけるような行動を許さないためにも、そしてサンフランシスコの人々に「日本に住む人はそんな人権意識の欠如した人間ばかりじゃない」と示すためにも、日本の市民の行動が必要不可欠です。
 ぜひとも、趣旨をご理解頂き、お知り合いの組織・団体様にも呼びかけをお願いたします。

 みなさまの周辺でも呼びかけてくださるよう、ご協力よろしくお願いします。

<賛同署名の送付先>
mihola@gmail.com
Japan Multicultural Relief Fund (日本多文化救済基金)
共同代表 美穂・キム・リー

第一次集約:9月8日(火)
第二次(最終)集約:9月15日(火)(必着)


 現地における8・14日本軍「慰安婦」メモリアル・デー決議書の翻訳文は、追記のとおりです。


2015,8 チラシ 2のコピー 
(写真は橋下市長に抗議する関西ネットのビラ) 

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8月12日、釜ヶ崎夏祭りに参加しました。

今年も釜ヶ崎夏祭りに呼んでいただき、前夜祭第二部の最初にアピールの時間をいただきました。まず初めに「イムジン河」の歌。「誰が祖国を分けてしまったの」など、私たちメンバーにとってなじみ深い歌詞は、聴いてくださっている皆さんにとっても同じのように見受けられました。続いて「シャッフルアリラン」。進行役が「この踊りは今日はじめて披露します。」と言うと、皆さん「おーっ」と歓迎の声をあげてくださいました。今年2月の水曜デモで韓国希望ナビの若者たちが踊った動画を見ながら練習したものの、テンポが速く複雑なステップはなかなか手ごわくて、ついばらばらに。「さすが今日はじめて」という内容になってしまいました。でも、ポップなリズムは踊っていても楽しく、次回も呼んでいただけるなら、ぜひ、もう少し上達したところを見ていただきたいと思います。踊りの最後に、新調したばかりの<日本軍「慰安婦」メモリアルデーを国連記念日に>の横断幕を広げました。そして、1991年8月14日に韓国で金学順さんが「慰安婦」被害者として名乗り出られてから24年、日本政府はいまだこの問題の解決を果たしていないばかりか、戦争する国作りに邁進しているような状況下、多くの人々と力を合わせてこの国の流れを変えていきたいと訴えました。いつもながら温かく手作り感あふれるお祭りに参加して、メンバー一同、大いにリフレッシュし、8月14日扇町公園「慰安婦」メモリアルデー集会&デモ、8月15日ドーンセンター「戦後70年 東アジアの未来へ!宣言する市民」集会の成功に向けて鋭気を養うことができました。夏祭り20150813035401a16.jpg 踊り

レッドアピールでNO WAR(´▽`)ノ


15日に「戦争あかん!女たちのパレード」が行われました!歌あり音楽ありの賑やかなパレードで参加者は赤い物を身につけて戦争あかんをアピールしました(^o^)
kyonja

10月6日「秘密保護法」廃止!ロックアクションに参加しました。

 10月のロックアクションは、《日本政府は国連の人権勧告を聞け!》というサブタイトルのもと、「秘密保護法廃止!ロックアクション」メンバーに加えて、先日、共同で外務省に申し入れした「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」「コリアNGOセンター」「日本軍『慰安婦』問題・関西ネット」のメンバーも結集して、午後6時半より中之島公園女性像前広場で行われました。「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」から朝鮮学校差別の不当性が訴えられたのに続き、関西ネットからは、今年の7月~8月、国連自由権規約委員会や人種差別撤廃委員会などより、これまでの度重なる勧告をさらに上回る厳しさで、「慰安婦」被害者への中傷や事実の否定を放置する日本政府の態度が批判されたこと、国際社会では「慰安婦」問題が現在に続く人権侵害と捉えられていることをアピールしました。朝日新聞バッシングを通じて「慰安婦」問題そのものを否定しようとする動きが、どれほど国際社会の常識とかけ離れているか、参加の皆さんに改めて実感してもらえたのではないでしょうか。
 7時20分には西梅田公園に向けてデモ出発。関西ネットメンバーは9人が参加して、幟と横幕を掲げ、多くの皆さんと共に「秘密法こわい」「誰でも逮捕」「憲法壊す総理は辞めろ」「戦争したがる総理は辞めろ」と元気に声を上げました。参加は約350人。道行く人々のビラの受け取りも上々だったようです。この国の行方は私たち市民の行動にかかっています。11月・12月とさらにロックアクション参加者を増やし、たとえ「秘密保護法」が施行されても、政府の恣意的運用に歯止めをかけられるだけの民意を示しましょう。

「オレの心は負けてない」を観て、いまだからこそ一緒に考えたい日本軍「慰安婦」問題

昨今の猛烈な朝日新聞バッシングのなか、まるで日本軍「慰安婦」問題そのものが存在しなかったかのような動向を、何とかしなければと、いてもたってもいられない思いで、関西ネットでは急きょ映画会とトークセッションを企画しました。広報期間も短く、また台風の接近が気になるところでしたが、ドーンセンター特別会議室に30人あまりの方が集まってくださいました。「オレの心は負けてない」―在日の日本軍「慰安婦」で、1993年~2003年に日本政府に対して謝罪と補償を求めた裁判を闘った宋神道さんのドキュメンタリーです。初潮も見ない16歳の頃から、日本軍「慰安婦」として7年間も、戦場での性暴力を受け続け、映画のなかで何度も「恥ずかしかったよぉ」と繰り返される言葉。恥ずかしいのは宋さんではなく、戦争遂行のために女性の性を利用し、それを認めないままの日本政府なのに。人を信じない、神様も信じない。信じるのは自分だけと言い、宋さんを支援する「支える会」の皆さんさえをも、試そうとする宋さん。戦場で受けた暴力による心と身体の後遺症の凄まじさ。お腹のなかで亡くなってしまった子どもを、自分の手で取り出したという宋さんが「慰安所」にいたのは、16~23歳のことなので、今日、トークセッションで映画の感想など話してくれた2人の大学院生よりもまだ若かった(幼かった)のです。どんなにか恐ろしく、孤独と絶望の7年間だったかと思います。そのなかを生き抜き、闘ってこられ「戦争はぜったいにいけない」という宋さんの言葉をあらためて心に刻みたいと思いました。CIMG0929_20141005235656bd9.jpg

報告 《 「日本政府は国連の人権勧告を聞け!」行動 》

                  外務省大阪分室要請行動&記者会見
10月3日15:30より「秘密保護法廃止!ロックアクション」の10月行動《日本政府は国連の人権勧告を聞け!》の前段行動として、外務省大阪分室に安倍首相および外務大臣あての要望書を持って面談申し入れを行いました。
参加したのは「秘密保護法廃止!ロックアクション」「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」「コリアNGOセンター」そして「日本軍『慰安婦』問題・関西ネット」の各代表です。
対応したのは外務省大阪分室浅野尚未室長と、同外務事務官のお二人でした。
各団体より朝鮮学校に対する差別的扱いの問題や、在日朝鮮人へのヘイトスピーチなどに関して要望書を提出し、発言を行いました。
関西ネットは「慰安婦」問題について要望書を提出、発言しました。
今年7月の自由権規約委員会の勧告、8月の人種差別撤廃委員会ではじめて「慰安婦」問題について勧告が出されたこと、さらに8月ピレイ国連人権高等弁務官が「慰安婦」問題について「歴史の問題ではなく、現在の問題であり、被害者への司法と賠償への権利が実現されない限り人権侵害は続く」と言及したことを重く受け止め、政府として必ず解決に向けて行動するよう求めました。
要請を受けて担当者は、要望については伝えるが、政府の立場は決まっている。今後もっと日本の立場を国際社会にアピールするために努力したいということでした。
その後14:30より大阪府庁記者クラブで記者会見を行いました。
朝日、共同、読売の各社が対応、今回の行動の呼びかけ人でもある「ロックアクション」服部さんより経過説明、外務省分室への申し入れ行動について報告、続いて各団体より発言をしました。(P)
                       *****要望書*****
                                                2014年10月3日
安倍晋三 内閣総理大臣
岸田文雄 外務大臣 
                                  日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

 2014年7月15日-16日、自由権規約委員会は、締約国日本の審査を実施し、前回2008年に続いて、「慰安婦」問題と関連、日本政府に対して法的責任、謝罪、補償、加害者処罰、教育、否定発言への反駁と制裁など、厳しい勧告が出されました。日本政府は、審査において「日韓請求権協定」で解決済み、アジア女性基金で対応したとの見解を繰り返し、さらには、「『慰安婦』を性奴隷と呼ぶのは不適切である」と発言しました。これを受けて、委員からは、安倍首相の河野談話の見直しの動きや公人による否定発言の現状を指摘し、「慰安婦」ではなく、性奴隷と呼ぶべきであると発言、そのうえで河野談話の見解の確認や、「慰安婦」裁判、真相究明、被害者への謝罪等について質しました。
 これらの質問に対し、日本政府は「性奴隷と呼ぶのは不適切」と繰り返し、河野談話検証を通じて「強制連行は確認できていない」と表明しました。こうしたやり取りに、ロドリー議長は、「強制連行」はなかったといいつつ、「意志に反した募集」があるとの主張は、理解できない、性奴隷や強制に疑念があるのなら、なぜすべての資料を公開し、調査で明らかにしないのかと、コメントしました。
 7月24日、委員会は最終所見「『慰安婦』に対する性奴隷慣行」で、「被害者の意思に反して行われた行為はいかなるものであれ、締約国の直接的な法的責任をともなう人権侵害とみなすに十分である」と指摘しました。勧告部分については、「入手可能なすべての証拠の開示」が追加され、完全な被害回復措置、教育、公的謝罪と国家責任の認知、否定発言への非難をなど含む、厳しい勧告です。
 さらに、8月6日、ピレイ国連人権高等弁務官が、日本が「慰安婦」問題の解決をしてこなかったことに遺憾の意を表するコメントが発表されました。即ち、「これは歴史に属する問題ではありません。現在の問題であり、被害女性たちの司法と賠償への権利が実現されない限り、彼女たちへの人権侵害は続きます」と述べ、日本政府による紛争下の性的暴力防止への取り組みを評価しつつ、それと同じ気持ちで、「慰安婦」問題についても包括的で公平で持続的な解決を追求する」よう促しました。
 続けて2014年8月20-21日、国連・人種差別撤廃委員会で日本政府報告書審査が行われ、「慰安婦」問題について、被害者が「売春婦」などと呼ばれていることなどへの懸念が委員から示されました。8月29日、「慰安婦」問題について日本政府に加害者処罰、謝罪と賠償を含む包括的で公平で永続的な解決を求める勧告が出されました。勧告はまた、被害者への中傷や事実の否定への非難と適切な措置を求めています。同委員会で「慰安婦」問題への言及は初めてのことであり、「慰安婦」の歴史の否定が被害者に対する深刻な人権侵害と女性差別の象徴となっていることを表しています。
 日本政府は「慰安婦」問題について国連の勧告をことごとく無視し続け、現在日本国内における「慰安婦」制度の事実そのものを否定する勢力の拡大は放置できない水準に至っています。否定する人々はこれによって日本軍兵士や日本人の名誉が傷つけられていると主張しますが、国連人権委員会の場で「慰安婦」を否定し、被害者への差別的対応を繰り返す否定派の人々、そして何より繰り返される国連勧告を無視し続ける日本政府の対応こそが日本の名誉を傷つけています。
日本政府は紛争下の性暴力をなくすための国際的イニシアティブに資金を提供すると約束しています。今年6月、ロンドンで「紛争下における性的暴力の終焉に向けたグローバル・サミット」が開催された際には、岸信夫外務副大臣が「性的暴力は犯罪です。重要なのは加害者の不処罰の文化を排除し性的暴力に対する人々の考え方の変革を促すことなのです」と演説しました。であるなら、勧告を受け入れ、「慰安婦」問題解決に向けて早急に行動されるよう求めます。

大阪市会<「慰安婦問題」に関する適切な対応を求める意見書>への抗議声明を提出しました。

 大阪市会宛抗議声明には、わずか4日半の間に全国から計150団体の賛同が寄せられました。そして、今日夕方の大阪市庁舎前抗議行動には、急な呼びかけにもかかわらず、約50人の参加がありました。これも多くの人々の怒りと危機感の表れであろうと思います。
 「不当に貶められた先人の名誉を回復し、現在及び未来に生きる日本人の誇りを守る」というような意見書の文章には、過去の侵略戦争を反省する姿勢が全くありません。午後4時半から始まったマイクアピールでも、過去の過ちをなかったことにしようとする動きの中で生まれた今回のような意見書は、新たな戦争につながるものであり、この動きをなんとしても止めねばならないという切実な訴えが続きました。5時からは、関西ネット共同代表に各賛同団体の代表者も加わり、約15人で議会事務局に抗議声明を提出。事務局職員の説明によれば、意見書案は、それが可決された9日本会議当日の朝に初めて議会運営委員会に出されたとか。そして、本会議では、「異議あり」の声が出たことによって、他の議案と違って採決はなされたものの、反対討論などは行われなかったそうです。反対討論をするには前日までに申し出なければならないところ、当日朝まで、意見書がその日の議案となることがわからなかったため、反対討論が不可能だったようです。提出行動を終えてマイクを握られた方は、9日の本会議を傍聴したけれど、意見書文案も配られず、何の説明もなく、どんな意見書が採択されようとしているのか全くわからなかったこと、そして、「異議あり」と言った議員に対して、議場内で「非国民!」と罵声を浴びせる傍聴者がいても警備員は止めもしなかったことを怒りを込めて報告されました。ファシズムは着々と進行しているのではないでしょうか。
 一方、通行の人々は、横断幕を不思議そうに見て行くことが多く、いったい何のことか知りたいからビラを受け取るという人が多いように思われました。市民の知らないところで、戦争する国へと向かう動きが加速しています。気付いた者は伝えなければならない! それを痛感する街頭行動となりました。 (たな)
2014年9月19日大阪市庁舎前

大阪市会9.9「慰安婦」問題意見書への抗議声明に団体賛同を!

***団体賛同のお願い 《転送・拡散 大歓迎》***

みなさま
9月9日、大阪市会において、維新の会、自民党両党提出による「『慰安婦問題』に関する適切な対応を求める意見書」が、賛成多数により可決されました。
その内容は、2010年10月、市民の粘り強い働きかけで実現した「日本軍『慰安婦』問題の早期解決に関する意見書」を真っ向から否定し、朝日新聞の検証記事を根拠に、「慰安婦」問題は「事実にもとづかない虚偽」であったと断定する、とんでもない内容です。
橋下市長の足元の議会で起こったこのような暴挙を、黙って見過ごすことはできません。
また、今後このような意見書が各地にも飛び火する可能性も否定できず、しっかりと市民の声をあげていく必要があります。
私たちは多数のみなさんの賛同を添えて、早急に、以下の抗議声明を大阪市会に出すことにしました。

今回は団体の賛同のみです。

団体賛同の連絡 :  info@ianfu-kansai-net.org
団体賛同の締切 : 9月18日(木)20時

大阪市会への提出行動を、9月19日(金)に行いますので、ご参加ください。
  16:30  大阪市庁舎前集合、抗議行動
  17:00~17:30  声明提出 (その間も、抗議行動を継続) 
  17:30~18:00 提出行動の報告

賛同と併せて、各団体からも大阪市会に対して抗議の声を集中していただきます
よう、お願いいたします。

みなさん、力を合わせましょう。

2014年9月14日
日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク 
           



【声明】   
大阪市会の「慰安婦」問題を否定し、被害者を貶める意見書に抗議します。

 9月9日、大阪市会において維新の会と自民党の共同提案による「慰安婦問題に関する適切な対応を求める意見書」が賛成多数で可決されました。意見書は、8月に掲載された朝日新聞の検証記事をもとに、「事実に基づかない虚偽を繰り返し喧伝し、戦地に赴いた兵士や戦歿者の名誉と尊厳を厳しく毀損し、日韓関係を悪化させた」と断定しています。
 朝日新聞の検証記事は、「慰安婦」問題が取り上げられた初期の一時期において事実と異なる証言の引用や名称の混同があったことなどを認めたものです。そもそも吉田清治証言は根拠のあいまいさが早くから指摘されており、今ではこれを資料として「慰安婦」問題が論じられることはありません。吉田証言に頼らなくても、新たな資料や証言は多数発見されており、したがって、吉田証言が事実でないことをもって「『慰安婦』は虚偽」とすることなど不可能です。「『慰安婦』は虚偽」という指摘は当たりません。「河野談話」発表時の政府調査はもちろん、それ以降でも現在までに529点の資料が発見され、今年6月2日、被害者と市民団体の手で内閣府に提出されています。そして何より、「慰安婦」問題の実態が明らかになったのは、アジア・太平洋各国やオランダの被害者が勇気を振り絞って次々と名のり出て証言したことによります。それらの被害事実は日本の裁判所でも事実認定されています。
 しかし、「慰安婦」問題そのものを否定したい人々は今回の検証記事をそのチャンスととらえ、「慰安婦は嘘だった」発言や報道を一斉に繰り広げています。
 その筆頭である橋下大阪市長は記者会見やメディアを通じて鬼の首を取ったとばかりにはしゃぎ、「朝日が白旗あげた」「強制連行はなかった」「朝日が日韓関係をこじらせた」等の発言を繰り返しました。
 このたびの意見書には「不当に貶められた先人の名誉を回復し、現在及び未来に生きる日本人の誇りを守るため、世界の平和と繁栄に寄与してきた戦後日本のたゆまぬ努力や女性をはじめとする人権を重んじる姿勢を内外に発信するべく」日本政府が行動するよう求めています。では、日本人の名誉や誇りを傷つけている原因は、朝日新聞報道にあるのでしょうか。周知のように日本軍「慰安婦」問題は昨年に続き、今年も国連自由権規約委員会や人種差別撤廃委員会で取り上げられ、日本政府に対応を求める厳しい勧告が出されるなど、国際社会が注目する女性への性暴力問題です。ピレイ国連高等弁務官が発言しているように、「慰安婦」問題は過去に起きた女性に対す人権侵害であるが、今も日本政府がこの歴史的事実を否定することで被害者の人権を傷つけ続けているという現在の問題だと、国際社会は見ているのです。国際社会の声に耳を傾けようとせず否定し続け、それが女性の人権を軽んじていることだと理解できない日本政府の対応こそが、日本の名誉を傷つけているのです。
 日本政府が今しなければならないことは、朝日新聞の検証記事を云々することではなく、目の前に提出されている多くの「慰安婦」問題関係資料を検証し、実態調査を含めた真相究明を行うことです。
 大阪市会はかつて2010年に市民の要望を受けて「日本軍『慰安婦』問題の早期解決に関する意見書」を可決しています。被害者の声に耳を傾け、女性の人権を尊重する立場から出されたこの意見書を真っ向から否定するこの度の意見書可決は、市長が替わったとは言え、同じ自治体が行ったとは思えない無責任な行為であり、その内容は被害者の尊厳を傷つける「ヘイト・スピーチ」そのものです。
 意見書はまた、来年の戦後70年を期して(河野談話に変わる)新たな官房長官談話を出すよう進言しています。朝日新聞報道が日韓関係をこじらせたと非難するのなら、近隣諸国と平和で友好的な関係を築くことを模索することこそが、地方議会とは言え、この社会に、人々の暮らしに責任を持つ議員としてなすべきことではないでしょうか。
 国家や兵士たちの名誉を守るために事実を否定し、間違った歴史を子どもたちに押し付け、国連勧告をはじめ国際社会の声に背を向ける日本政府や、それに追従する地方議会の態度こそが日本の名誉を傷つけ、子どもたちの未来をも曇らせていることに一日も早く気付いてください。

 2014年9月19日
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